岩手で住宅浸水、避難指示を発令 青森、秋田も警戒呼びかけ
台風5号が上陸し、大雨が降った岩手県では12日、複数の河川が氾濫危険水位を超え、久慈市が最も警戒レベルの高い緊急安全確保を出すなど、沿岸自治体を中心に避難指示を発令した。県によると、宮古市田鎖地区で住宅が床上浸水し、岩泉町などでは4棟が床下浸水した。人的被害の報告はない。 青森、秋田両県の一部自治体も避難指示を出すなど住民に警戒を呼びかけた。 宮古市田鎖地区の佐々木吉朗さん(88)は妻と共に避難所に身を寄せ「家の近くの川が増水し、怖くて避難した。今晩は安全な場所で過ごしたい」と不安げだった。 岩手県は、貯水量が限界近くに達した久慈市の滝ダムから、下流の長内川に緊急放流した。氾濫の恐れから、市は流域の4177世帯に緊急安全確保を一時発令した。 2016年の台風10号で氾濫して高齢者施設入所者に犠牲を出した、岩泉町の小本川は今回も増水。河川敷に止めてあったとみられる複数の重機が操縦席付近まで濁流に漬かった。同町では3地区5世帯が孤立状態になったが、連絡は取れており救助要請はない。