神奈川屈指の進学校・栄光学園が初戦突破 柴野明彦監督「⾝体を鍛えるの と同時に集中⼒や⼈間性も鍛えられていく」
6月30日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選の1次予選1回戦で栄光学園が市立高津に2-1で競り勝ち2回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】栄光学園 vs 市立高津 試合序盤の9分、MF10斎藤大樹のゴールで幸先よく先制した栄光学園だったが、後半開始早々に高津にゴールを許し同点にされる。しかし、粘り強さを崩さず挑んだ結果、59分にMF9福武勇梧の勝ち越しゴールが生まれ追いすがる高津を振り切った。 試合後、柴野明彦監督は「相手がどう蹴ってくるのかどう仕掛けてくるのかわからないなかで怯まずに戦おうと選手たちには話しました。キャプテンが怪我で出られなかったのでその分も頑張ろうという気持ちもあったと思います。プレッシャーがきつかったのでもう少しサイドを繋いで崩すという狙いが得点に繋がってくれたのもこの2週間の練習の成果だと思います」と選手たちの成果を喜んだ。 柴野監督のいう2週間という期間には実は深い意味がある。キリスト教系の学校である栄光学園は「家族との時間を大切にする」というひとつの方針から部活動は週に2回と決まりがある。つまり2週間といっても実質の練習機会は4回。それでも選手たちはその限られた機会を有効に使ってきた。与えられた時間を有効に使い、結果を出すためにはどう準備してどう戦うか、そこに個人の能力というエッセンスを加えながら最も効率よく試合を運ぶのがベストか?もちろん相手がいて状況が変わる中でそれでも選手たちはそれを実行し目標を目指す。実に中身が濃い。 「勉強の面でも生徒の自主性に任せるという方針があってその中で選手たちが勉強と部活の切り替えを頑張っていることも結果につながっていると思います。身体を鍛えるのと同時に集中力や人間性も鍛えられていくのでそれも勉強に活かせていると思います」 次の試合までの練習は僅かに2回。しかし栄光学園の選手たちにとってそれはとても価値ある2回なのだろう。 「次も頑張りたいと思います」と監督の決意の言葉は短かったが、そこには選手たちへのより深い信頼が込められていた。 (文・写真=西山和広)