「誇らしかった」「憧れの場所」 イトーヨーカドー春日部店閉店に多くの人
イトーヨーカドー春日部店(春日部市中央1)が11月24日で閉店した。(春日部経済新聞) 【写真】多くの人や報道陣が集まった入り口付近(関連画像) 今年7月26日に閉店が発表された同店。1972(昭和47)年に出店し、1996(平成8)年12月に現在の場所に移転した。春日部ゆかりのアニメ「クレヨンしんちゃん」の「サトーココノカドー」のモデルとしても知られていることから、SNSなどでも閉店を惜しむ声が多かった。 市内在住の50代男性は「子どもの頃はまだ合併前の庄和町民だったので、隣町にある憧れの場所だった。祖母に連れられて1階のレストランでお子さまランチを食べた思い出があり、屋上の遊園地やおもちゃ売り場も楽しみな場所だった。小学校高学年の時は同級生と一緒に自転車で行った。道路が整備されていなかったので、今よりずっと遠い場所で小さな冒険感があった」と振り返る。 市内在住の50代女性は「子どもが小さい頃は、旧店の屋上に連れて行き一緒によく遊んだ。今のヨーカドーになってからは父の日、母の日のプレゼントは必ずヨーカドーで選んでいたので、来年からはどうしたらいいのかと思っている。地下の鮮魚売り場の横のスペースにあった回転ずしがおいしかった。ポッポのポテトも好きだった。夫とサイゼリヤで昼からワインを飲んで楽しかったなど数えきれない思い出がたくさんある。ほかの大型店ができて行く頻度が減ったが、看板がサトーココノカドーになった時は誇らしかった。春日部駅のホームを降りて帰って来たなとほっとするのはヨーカドーの看板が目に入った時。当たり前にあったヨーカドーがなくなるなんて、まだ想像できない」と話す。 閉店日には多くの人が訪れ、同店を記念に残そうと撮影する姿が多く見られた。周辺の飲食店には行列ができている店もあった。子どもの頃は春日部に住み、店を利用していたという東京から来た40代の女性は「店に行けば必要なものがある、安心感がある場所だった。ロビンソン春日部店ができる前には、よく母と買い物に行き、いつも母が両手にビニール製の買い物袋を持って歩いていたのを覚えている。慣れ親しんだ地元の店。これが最後なのか、と寂しく思う」と閉店を惜しんだ。 閉店セレモニーは行わないと事前に発表されていたものの、閉店時間が近づくにつれ店周辺には次々と人が集まってきた。19時にシャッターが下ろされはじめると、集まった人たちからは「ありがとう」などの声が上り、大きな拍手も起こった。
みんなの経済新聞ネットワーク