“空気から水を作る”災害時の活用や深刻な水不足の解決に! 世界が注目する空気製水器とは?
日テレNEWS
じめじめした日が続く梅雨の時期。この湿気が役に立つのを皆さんご存じですか? 空気中の水分から水を作る空気製水器というものが、いま世界中で注目されているんです。電気と空気さえあれば水道管などのインフラなしで水を供給できることから、SDGs6番目のゴール「安全な水とトイレを世界中に」に向けた、新たなアプローチとして広がりを見せています。様々な分野で期待されている空気製水器、その活用の場を米澤かおりキャスターが取材しました。 まず訪ねたのは、東京・豊島区にある、災害時の一時避難場所にも指定されている防災公園。その管理事務所に去年11月から空気製水器が設置されました。こちらの空気製水器は空気を冷やし結露を発生させて、空気中の水分を抽出。フィルターを使ってチリなどの不純物を除去することにより“安全な飲み水”になります。一度に出来る水の量は少ないものの、1日約16リットルの水を作ることができます。 米澤かおりキャスター 「すごくまろやかなお水! おいしいです」 空気から水を作るため、カルシウムなどのミネラルが少なく、まろやかな軟水になるそうです。消毒に必要な塩素は含まれていませんが、その代わりに除菌効果のある銀イオンを加えて循環させることにより、長期保管を可能にしているといいます。 IKE・SUNPARK 村田尭弘所長 「ここの電気は発電機なので災害時にも自由に水が飲める」 すでに海外への導入も進んでいて、国土のほとんどが砂漠で水不足が深刻な問題になっているエジプトでは、政府と共同でこの機械を生産し、広く販売していく計画も進んでいます。 この空気製水器を作っているのは、日本のベンチャー企業でした。 MIZUHA 立山睦人部長 「世界には水が届いていない国がたくさんある。世界の隅々まで届けていきたい」 1リットル当たりの電気代が約10円で出来るため、SDGs6番のゴール「安全な水とトイレを世界中に」を進めていく上で注目されており、国内でも多くのメーカーが製造している空気製水器。その意外な活用法が東京・渋谷区にありました。 米澤キャスターが訪れたのは、空気から作った水でいれるコーヒーの専門店・AIR DRIP COFFEE SHIBUYA。味にどのような違いがあるのか? 特別に水道水でいれたコーヒーと飲み比べさせてもらいました。 米澤かおりキャスター 「え! え! 全然違います! 酸味・香ばしさ・豆の香りがすごく立っています」 コーヒーに詳しいバリスタによると、空気から作った水は消毒に使われる塩素が含まれないため、コーヒー本来の味を楽しめるといいます。 実はこちらのお店、空気製水器メーカーの直営店。お店で使っている空気製水器は1日200リットルの水を作ることができ、除菌には紫外線を発するUVライトを導入しています。 現在、アフリカなどを中心に設置が進められており、コーヒーの売り上げの一部はその費用に充てています。 AQUAM 河﨑悠有代表 「将来的には家庭用のウオーターサーバー型も開発する。ボトル交換もいりませんし、ゴミも出ません。非常にサステナブルだと思う」 多くの国や地域で課題になっている水不足の問題。空気製水器がその解決につながるのか注目されています。