小田慶子の「2023年 年間ベストドラマTOP10」 ドラマの解像度が上がらなかった2023年
6.『セクシー田中さん』
みんな、ダラブッカをたたく安田顕を観た? 田中さん(木南晴夏)と朱里(生見愛瑠)がお互いの属性を尊重しつつ仲良くなる描写が爽快だった。「40歳を過ぎたおばさんは抱けない」という男性の本音もリアル。本作と『ブラッシュアップライフ』『コタツがない家』『だが、情熱はある』など、今年の日本テレビは粒ぞろいだった。
7.『あなたがしてくれなくても』
ヒロインの最後の選択以外は、文句なし。セックスレス夫婦を演じた奈緒と永山瑛太の真に迫るやりとりに引き込まれた。こういう大人の恋愛ドラマ、毎クールひとつはくださいな。
8.『100万回 言えばよかった』
すれっからしのオタクにも夢を見せてくれた。井上真央、佐藤健、松山ケンイチの演じる3人が、なぜこんなに愛おしいのか。脚本の安達奈緒子は、キャラクター造形が抜群に上手い。
9.『東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-』
お金が必要だから体を売る。一見、平和な日本にそういう境遇の女性が少なからずいる。今年、このテーマを外すわけにはいかない。今、多くの人に観られるべき1作。
10.『VIVANT』
突っ込みどころはたくさんあるが、砂漠の映像と大がかりなアクションとキャストの熱演で疑問を封じ、ぐいぐい引っ張っていく福澤組のパワーに今年も負けた。 そして2022年から勝手に始めたキャスト賞は以下。生見愛瑠は『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)で演じた、おなかの子の父親を撲殺し死体の横で出産する役が忘れられない。作間龍斗はグルメ雑誌で取材した直後、GP帯2作に出演。大河の秀頼役で「天才だったんだ」とびっくりした。 主演女優賞:小池栄子『コタツがない家』 主演男優賞:松坂桃李『離婚しようよ』 助演女優賞:鈴木杏『大奥』 助演男優賞:福士蒼汰『大奥』 新人女優賞:生見愛瑠『セクシー田中さん』『日曜の夜ぐらいは...』『風間公親-教場0-』 新人男優賞:作間龍斗『コタツがない家』『どうする家康』
小田慶子