日米金融政策とドル円相場の見通し【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
この先緩やかなドル安・円高を予想、141円台が目先のドル下値とみるが、投機の円買いに注意
最後に、ドル円相場を展望します。前述の日米金融政策の見通し(FRBのコンスタントな利下げと日銀の慎重なペースの利上げ)を踏まえれば、この先のドル円は、緩やかなドル安・円高の進行が見込まれます。 8月21日付レポート で紹介したフィボナッチ・リトレースメントでみると、2011年10月31日の1ドル=75円35銭水準から、2024年7月3日の161円95銭水準までの上げ幅について、23.6%の押しが141円51銭水準です(図表1)。 ドル円は8月5日に23.6%近辺に達しており(141円70銭水準)、目先はここがドルの下値として意識されると思われます。なお、近年の本邦収支構造の変化(詳細は 7月4日付レポート 参照)は、根雪のように積み上がる中長期的な円安要因ですが、短期的には投機筋の動向に注意が必要で、仮に投機的な円買いが大きく膨らめば、2021年から続くドル高・円安のトレンドライン(図表2)の下限に近づくリスクが高まります。 (2024年8月26日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日米金融政策とドル円相場の見通し【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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