日本国債ショートを最大限に積み上げ、利上げ近いと確信-バンガード
(ブルームバーグ): バンガード・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、アレス・クートニー氏は、日本銀行が近く金利を引き上げると確信し、日本国債の下落を見込むポジションを最大限にまで積み上げる意向だ。
バンガードの1兆7000億ドル(約250兆円)に上るアクティブ運用資産の一部として債券ファンドを運用するクートニー氏は、年初から日本国債先物の下落に賭けてきた。利上げ見通しが強まり利回りが上昇したため、このトレーディングは既に利益を生んでいるが、クートニー氏はさらに下落余地があるとみて、自身のポートフォリオで許容される上限までショートを増やしつつある。
日銀が約10年にわたり続けたマイナス金利を19日の金融政策決定会合でついに解除するのか、トレーダーらは兆しを注視している。力強い賃金データや、一部の政策委員が3月の利上げを支持しているとの示唆は、タカ派的な展開を後押しする。
日銀の利上げは「もはや、その有無ではなく、時期が焦点になった」とクートニー氏はインタビューで指摘した。
しかし、まだ完全に決まったわけではない。来週明らかにされる春闘の賃金交渉結果に大きく左右される。クートニー氏は労組が30年ぶりの大幅な賃上げを勝ち取り、インフレ懸念が台頭して超緩和政策に終わりを告げるよう政策委員らに圧力をかけると見込む。
「春闘の交渉が、日銀のパズルの最後のピースになるだろう」と述べつつ、4%余りの賃金上昇率で3月利上げの確率は半々だと同氏は続けた。
日銀が3月に利上げを見送ったとしても、来年末までに日銀の金利は1%前後になっているだろうとし、「3月にしない場合は、4月が基本シナリオになる」とクートニー氏は語った。
原題:Vanguard Manager Adds to Bet Against Japanese Bonds on Hike Odds(抜粋)
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Naomi Tajitsu