後輩とともに神村ナインへ声援を送るＯＢの山本光大さん（中央左）＝１９日、兵庫県西宮市の甲子園球場

　再び４強の舞台へ－。１９日の第１０６回全国高校野球選手権大会準々決勝で、神村学園は大社（島根）を破り、２年連続で準決勝進出を決めた。三塁側アルプス席から声援を送ったＯＢの大学生山本光大さん（１８）は、昨夏４強入りしたチームの記録員。現地練習に加勢し経験を伝えるなどしてチームを支え、「自分たちを超えて決勝へ進め」とエールを送る。 【写真】７回表、上川床の適時打で生還する岩下（中央）＝甲子園

　山本さんは甲子園球場のある兵庫県西宮市出身。昨年は、記録員や選手としてベンチにいる試合は勝ち続け、「勝利の女神」と呼ばれた。昨年の大会準決勝で仙台育英に敗れるまで、公式戦は３５連勝した。 　今春、神戸市内の大学に進学。８月に聖地に戻ってきた後輩たちの現地練習に連日顔を出し、ボール拾いなどを手伝う。高校時代の恋愛話で和ませつつ、「夜更かしをしない」「整理整頓が大事」と指導も。世話役を買って出るのは「心に隙があると勝負どころで弱さが出る」と甲子園で学んだからだ。 　今年は昨夏のベンチ入りメンバーが１０人残り、「投打とも力をつけ、強豪校に全く引けを取らない」と言い切る。昨年出場していない選手には経験を伝えており、玉城功大選手（３年）は「甲子園は何が起こるか分からない、点差がついても諦めたり油断したりしてはいけないと教わった」と話す。 　１９日は雨の中、メガホンを手に後輩たちと声を合わせて応援した。７回表、正林輝大選手（３年）に待望の適時打が出ると、「去年から不動の４番。ここぞという場面で打ってくれた。やはり頼りになる」とたたえた。

　次は昨年涙をのんだ準決勝。「経験、実力ともに十分。自分たちを超えて決勝へ進み、県勢初の夏の頂点をつかんでほしい」と期待を込めた。