野麦峠とMt.乗鞍の両スキー場 住民有志が存続に向け盛り上げ
長野県松本市奈川の市営野麦峠スキー場が、20日に今季の営業を始めた。同市安曇のMt.乗鞍スノーリゾートも21日にオープンする。地域の基幹産業ながら、来場者の減少などで厳しい経営状況となっている両スキー場を盛り上げようと、それぞれの地域で住民有志が支援活動に乗り出し、運営会社と協力して存続に向けた知恵を絞っている。 野麦峠スキー場は、飲食業・王滝のグループ会社の岳都リゾート開発が指定管理者となって17シーズン目を迎える。同社は今季の目標を、雪不足に泣いた昨季実績より約3000人多い2万5000人に設定する。 奈川の住民有志は今季「盛りあげ隊」(忠地愛男代表)を結成し、スキー場をPRするのぼり旗を30本作って周辺道路に掲げた。構成団体の野麦峠スキー学校は1月2~5日に市内小学生を対象にスキー・スノーボードのレッスン料を半額にするなど、新たな活動を企画している。 Mt.乗鞍スノーリゾートは、運営会社のブルーリゾート乗鞍が一度は営業を断念したが、住民有志が営業継続を目的に募った支援金が目標金額に達した。昨季は4万人を下回った来場者の目標を「4万人以上」とする。18歳以下のリフト券を無料にする新企画も用意した。 有志の会がリフトの運行費用や人件費などを用意するためのクラウドファンディング(CF)を今月末まで実施している。有志の会の6人でつくる運営協議会(山口謙代表)が、スキー場のPRやレストランメニューの考案などに携わる。住民主体で今季を乗り切り、来季以降の運営を担う団体を探す方針だ。
市民タイムス