つばさの党は新タイプのカルトか? 幹部3人逮捕で分かった奇妙な「集団生活」の実態
公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で幹部3人が逮捕された政治団体「つばさの党」。「つばさの党」は、支援者10人前後が幹部と一緒に集団生活を送っていたという。過去には、問題を起こした多くのカルトが集団生活をしていた。「つばさの党」が、どんな活動をしているのか警視庁も関心を寄せている。 【写真】つばさの党・黒川敦彦代表の正体は“陰謀論の総合商社” 集団生活をしていたのは、東京都練馬区の一軒家。「つばさの党」の支援者の親族が所有する物件だという。集団生活がはじまったのは、3~4カ月前。「つばさの党」に詳しい選挙ウオッチャーのちだい氏はこう言う。 「もともと、党本部があった東京・半蔵門の事務所で2人が共同生活をしていました。ワンルームの狭い部屋で、風呂もなかった。一軒家が見つかり、不便なワンルームから転居した格好です。練馬の一軒家には、コアメンバー5~6人が暮らし、他に、自分の住居はあるけど寝泊まりするメンバーが5~6人いたようです。メンバーは、アジトと呼んでいる。ただ、近所と大きなトラブルがあるわけでもない。支援者からカニが届くと、皆で鍋をつくったりしていたようです。楽しいから皆が集まり、アジト化していったのでしょう」 どうやら、オウム真理教のサティアンのような生活ではなく、大学のサークル仲間が共同生活を楽しむノリだったようだ。 ■陰謀論に共鳴する者たち ただし、過激な選挙妨害をしていた「つばさの党」の支援者には、反ワクチンを訴える者も多く、逮捕された黒川敦彦代表(45)も、さまざまな陰謀論を唱えていた。「つばさの党」は各地でデモもしていた。陰謀論に共鳴する者が、集団生活を送っていたのは間違いなさそうだ。 カルト問題に詳しいジャーナリスト・藤倉善郎氏はこう言う。 「代表の黒川氏が支援者から崇拝されていたわけでもなく、ネットで陰謀論に触れた人たちが、一人一人、主体的に活動に参加していたようです。黒川氏は、デモや街宣の後の飲み会を大事にし、メンバーも楽しんでいた。統一教会を包囲したデモでは、音楽をかけ、踊ったりしていた。つばさの党は、陰謀論を信じる者が緩やかにつながる、新しいタイプのカルトと言えるかもしれません」 逮捕され警視庁に入る時、ピースサインをつくって報道陣に見せていた黒川代表は起訴されたら、法廷でなにを語るのか。