JR九州高速船の浸水隠し、前社長ら3人懲戒解雇…JR九州社長らは報酬一部返納「深くおわびする」
調査報告書では、JR九州高速船の船員らに、内部通報制度が活用されなかったことも指摘された。古宮社長がこの日示した再発防止策では、内部通報窓口を新たにJR九州の社外に設ける見直しを進めるとした。
ガバナンスに詳しい青山学院大の八田進二名誉教授は「事案の悪質性や田中氏を社長に選任したことを踏まえると、JR九州本体の古宮社長ら取締役2人の報酬一部返納2か月という対応は甘い。加えて、子会社の管理に直接関係するJR九州の監査等委員らが責任をとっていない。子会社幹部を解雇した『とかげのしっぽ切り』と思われても致し方ない」と指摘した。
その上で「安全意識の醸成は目に見えず、もし運航が再開できたとしても、以前のように利用者が戻るかは分からない。来年6月の株主総会ではJR九州の経営責任が改めて問われることになるだろう」と述べた。
浸水隠蔽問題を巡っては、福岡海上保安部による捜査も続いている。