衆院選で躍進の国民民主党、ショート動画で若者に「手取り増やす」拡散…石丸伸二氏の手法参考
衆院選で公示前勢力から4倍の28議席に躍進した国民民主党は選挙戦でインターネットを重視し、若者世代を中心に支持を広げた。自民党や立憲民主党などの来年夏の参院選戦略に影響を与えそうだ。 【表】国民民主の主なネット戦略
「動画はしっかりとメッセージを伝えていくということを心がけた。今回、ネットとリアルがうまく結びついた」
国民の玉木代表は3日のテレビ番組でこう振り返り、手応えを示した。
玉木氏が指摘した動画とは数十秒程度の短いものだ。動画投稿サイト「ユーチューブ」や、動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」などのSNSでの視聴に慣れ親しむ20~30歳代を念頭に置いている。
選挙中は、衆院選で掲げた「手取りを増やす」政策を紹介する内容を1日3~4本ペースでネット上に投稿し、党のユーチューブチャンネルに誘導した。
さらに、玉木氏は街頭演説で、「著作権フリーなので動画を撮って拡散してほしい」と呼びかけ、聴衆が演説の様子を編集した「切り抜き動画」をSNSで広めることに成功した。
読売新聞社と日本テレビ系列各局が共同で行った衆院選出口調査で、比例選の投票先を尋ねたところ、国民は18~29歳で25%(自民党20%)、30~39歳では22%(同20%)でそれぞれトップに立った。
玉木氏ら国民幹部が参考にしたのが、7月の東京都知事選で2位に食い込んだ石丸伸二・前広島県安芸高田市長の手法だ。
参政党もネット発信に力を入れ、神谷代表のインタビューや街頭演説をX(旧ツイッター)などで拡散させ、衆院選では比例選で187万票を得て3議席を確保した。自民内からは「SNS世代に主張を届ける戦略を見直さなければ、支持離れは止まらない」との危機感が出ている。