「暑くても長袖を着ます」…猛暑にさらされるソウル「バラック村」の住民たち
【06月24日 KOREA WAVE】ソウル市江南区開浦洞九龍(カンナムグ・ケポドン・クリョン)村に40年以上住んでいるオ・セグクさん(57)。「猛暑」にも「長袖上着」だ。山から降りてきた蚊の群れが襲撃するためだ。「いくら暑くても、風通しの良い服を着ることができない。蚊はもちろんヘビまでいて(唐辛子農業をする時は)真夏にも長靴まで履かなければならない」。オさんはこう嘆く。 猛暑注意報が発令された19日午後、九龍村の住民らは、それぞれの暑さに対策に余念がなかった。 5坪余りの家に住んでいるオさんは、これまでエアコンもなく、扇風機で夏場をしのいできた。「エアコンがあれば金持ち」だが「70~80万ウォン(1ウォン=約0.11円)は必要」という。発泡スチロールが張り付けられた高さ2メートルほどの天井を指して、「この方法なら日差しを少しでも防ぐことができる」と語った。 扇風機のほかに、オさんが暑さに耐える手段は、アイスボックスの中の氷水がすべてだ。「午前4時30分~午前9時、農作業をした後、これまでに氷水を3本も飲んだ」 太陽の光をそのまま受ければ内部温度が約40度にはなる。平均年齢78歳の九龍村の人々にはこたえる――オさんの言葉だ。 1980年代まで農村だった九龍村は1988年のソウル五輪の前後に住居地を強制的に撤去された人たちが集まって造成した村だ。江南区は九龍村を「無許可村」と規定しているため、村は支援システムの死角地帯にある。 九龍村で29年間暮らすというイ・ガンミンさん(70)は、猛暑特報が発効された日、木の下で暑さを受け止めていた。家の中が暑くてじめじめしているという理由からだ。イさんは「中も外も暑いのは同じ。雨が降ると水も漏れて湿度も高くなる。だから、外にいたりする」そうだ。 村の入り口にあるバス停からコンビニまでは約2キロ離れている。簡単に水を買いに行けないという。 こうした事情もあり、九龍村の食堂がナンバーワンの「避暑地」だ。エアコンと扇風機の電線が絡まった20坪規模の店には10人余りがビールを飲んでいた。 店内のエアコンはついていたが、温度計は30度以上を行き来した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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