秋アニメ、データで見る注目作は?維持率は「ダンダダン」が“初回比倍以上”下半期最大の数値に
ブシロードのグループ分析組織・アニメデータインサイトラボは25日、2024年夏秋アニメの視聴者動向に関する調査結果を発表した。同調査ではGoogleトレンドによる検索量データを基に、各シーズンの新作アニメにおける注目度の推移を分析している。 【画像】夏アニメと秋アニメを合わせて比較すると…初回放送週の注目度など(出所=ブシロード/全5枚) 調査によると、秋アニメでは「ダンダダン」が平均の10倍以上という圧倒的な注目度を記録。週刊少年ジャンプ+連載作品のアニメ化として、放送前から高い期待を集めていた。続いて「らんま1/2」と「アオのハコ」が平均の5倍以上の注目度を獲得した。 一方、夏アニメでは「しかのこのこのここしたんたん」と「逃げ上手の若君」が平均の7.5倍以上の注目度を獲得。特に前者は音楽を中心としたソーシャルメディア戦略が注目度獲得に貢献したと分析されている。 続いて新作アニメがどれほど注目度を維持しているかを分析した「注目度推移」においては、2024年の夏アニメと秋アニメは、ほぼ同様の減衰カーブを描いており、両シーズンとも2週目で75%前後、3週目で60%前後まで減少し、4週目以降は初回注目度の約45%前後で安定する傾向が見られた。
数値減衰の中で「ダンダダン」は“初回比倍以上”を記録
そんな中で、この秋に特異な数値を記録したのが「ダンダダン」で、放送7週目時点で初回比217%という驚異的な数値を記録。これは夏アニメにおける最高維持率を大きく上回る結果となっており、同作品は海外視聴者を中心としたSNSでのショート動画拡散戦略が功を奏したとされる。 このほか、「アオのハコ」では水族館でのコラボイベントを開催するなど、作品の世界観を体験できる企画を展開することで高い注目度を維持することに成功していると分析した。ちなみに、前回夏クールの維持率分析では「負けヒロインが多すぎる」は6週目に182%まで急上昇しており、この勢いがその後の10週目までの高維持率につながっていた。 同所は今回の分析結果から、アニメ作品の長期的な成功には「視聴者とアニメの接触頻度の向上」「目を引く本編のシーンの切り抜き」「広告で効率の良いクリエイティブの配信」「生活圏に掲出されるポスター」などの話題提供に加え、視聴者との新たな接点を継続的に創出することが重要だと指摘している。 ※「初回注目度」の定義…各作品の放送初週における相対的な注目度を示すもので、最も高い注目を集めた「ダンダダン」を100として数値化。この指標は作品への注目度を示すものであり、必ずしも視聴率や人気度を直接的に表すものではない。※「注目度の維持率」の定義…各作品の放送1週目を100%とした相対的な変化を示すもの。低い維持率は、必ずしもその作品の人気が低いことを意味するわけではなく、初期の高い注目度と比較して相対的に低下していることを示す。
編集部 経済・社会担当