同性カップルの住民票に「夫(未届)」と事実婚表記 長崎・大村市「内縁の夫婦に準ずる」
「準ずる」から「同じ」に
「結婚の自由をすべての人に」訴訟東京弁護団共同代表の寺原真希子弁護士は、「証明書類として定着している住民票で事実婚の異性カップルと同様の記載がなされることは、異性カップルに認められている社会保障等の法的保護や各種民間サービスを同性カップルも受けられる可能性を高めるもので、実務的な影響を期待できる。また、地方自治体によるパートナーシップ制度以上に同性カップルの存在やその関係性を公証することの必要性を可視化するもの」として高く評価。「地方自治体が、その実態と必要性を踏まえて行なった措置であり、同様の取り扱いをする自治体が増えていくことが望まれる」と話す。実際、「自分たちの自治体でも」と申請を考える同性カップルも出てきているという。 ただ、法的拘束力のないパートナーシップ制度よりも公証力があるとはいえ、法律婚のような効力はない。どの程度公的に通用するのかは不明で、松浦さんも「いまは一つひとつ何ができるのかを探っていく感じ。同性婚が認められていればいろいろな手続きや申請がスムーズだと思う」と話す。 寺原弁護士は「自治体ができることには限界がある。国は、婚姻と同様の実態を有する同性カップルが日本全国で暮らしていることを直視した上で、国にしかできないこと、つまり同性間の婚姻の法制化に速やかに着手することを迫られている」と指摘する。本当に求められているのは「準ずる」ではなく「同じ」対応である。