災害に備えて、スマホにできること&活用の心得 - 東京都総務局総合防災部に聞く
能登半島地震発生から5カ月が経とうとしている現在。新生活が始まり、住む場所や通勤通学先、行動範囲が変わった方も多いだろう。では、もしそこで大きな災害に遭ったらどこへ避難すればいいかわかるだろうか? 避難場所までのルートは? 到着したとして、その後はどう行動すれば……? 【資料】発災→避難→避難生活→生活再建と、各フェーズごとにさまざまなことが起き、必要な対策・行動が異なる。被害想定の数字よりも「自分の身の回りに起きること」を知って備えることが必要だ(『東京防災』冊子より) わからないことはスマホを使ってその場で調べればすぐわかる環境が当たり前の現在。しかし、災害時はその場になって調べても間に合わない、あるいは通信ができず調べられないことが当たり前になる。あらかじめ調べておくことの重要性、そして災害に備えたスマホ活用の取り組みを、東京都総合防災部に聞いた。都民ならずとも参考になる部分は多いので、日頃の備えに役立ててほしい。 ■話を聞いた人
■能登半島地震でスターリンクの有効性を確認 1月1日の能登半島地震では、断層の活動により地盤隆起や液状化現象、津波が発生し、家屋の倒壊や道路の寸断、ライフラインの損壊など甚大な被害につながった。通信が壊滅的な打撃を受けたことも大きな特徴だ。全国の自治体は災害発生直後から応援の職員を現地へ派遣したが、通信手段がないことが活動の大きな障害となった。 どこにどれだけ被災者がいるか。支援チームが何をすればいいか。どの支援物資をいつどこにどんな手段で運搬するか。現地の状況を知るにも地元自治体や本庁との調整にも、通信は必須だ。東京都からも第一陣の支援チームが現地入りし情報収集に取り組んだが、被災地では広範囲にわたって通信状況が悪化しており、通信手段の確保に苦労していた。そんな時、唯一すぐに機能したのが衛星ブロードバンドサービス スターリンクだったという。 「すぐに支援先となった輪島市役所で展開し、都の支援チームが連絡に活用しました。他の自治体や支援団体の方々にも解放し、通信がないために活動が滞っていたところがスムーズに支援調整できるようになり、改めて通信環境の重要性が浮き彫りになったと思います」(防災通信課長 田中さん)