フリーアナウンサー・神田愛花『料理下手はつらいよ。日本一早いハロウィンパーティー!』
一年で一番気合が入る”ハロウィンパーティー”
9月中旬、我が家でハロウィンパーティーを開催した。毎年恒例のイベントで、一年で一番気合が入る。理由は参加メンバーにある。常連の大久保佳代子さん、土田晃之さん、小峠英二さんに加え、今年はアンタッチャブルの柴田英嗣さんとハライチの澤部佑さんも。エンタメ界のド真ん中で活躍中の方々に、「楽しかった!」と思ってもらえるかどうか。日村家にとって”勝負”なのだ。 【画像】個性あふれる神田愛花さんの直筆イラスト(1回~66回)はこちら 結論から言うと、大成功だった。全員、最後まで笑いながら帰路に着き、後日各々のラジオ番組で、「楽しかった!」とお話ししてくださった。夫と二人で姿勢を正しながらそれらを聴き、「よかったねぇ」と言い合った。しかしそこまでの道のりは、すこぶる前途多難だったのだ。 今年のお料理のメインは、お好み焼き。料理が苦手な私でも美味しく作れるものにしようと、ホットプレートで作れるメニューにした。だが実は私、これまでお好み焼きを作ったことがなかった。夫から、「お好み焼き粉に、一口大に切ったキャベツとイカやエビ、天かすを入れて混ぜるだけだよ」と教えてもらった。 前日、スーパーへ買い出しに。まずはエビだ。殻が剥かれている冷凍エビを手に取ったが、(いや待てよ、このエビ大きいな。これを切ったら硬くて滑る? 解凍後だとびちゃびちゃか?)。疑問が湧き、店員さんに聞くと「茹でたエビもありますよ」とのこと。再度加熱しても硬くならないと聞き、茹で済みのエビにした。 次はイカ。茹で済みのエビの横に茹で済みのイカがあった。だがそのイカの名前は聞いたことがなく、他を探すと”ヤリイカ”の文字が。(お、知ってる!)。だが海の中の姿のままで販売されていた。(参ったな……)。捌けない私は困った。店員さんに「あの茹で済みのイカは、お好み焼きに使えますか?」と聞くと、「はい。ヤリイカよりも、あのイカのほうが柔らかいです」とのこと。店員さんのアドバイス通り、カゴに入れた。 続いて、天かす。売り場を見てビックリ。イカ天入り、エビ天入り、ただの天かすなど種類があった。5分ほど悩み、エビの風味は存在感が強い印象があるし、ただの天かすは「日村家はパーティーでケチるのか?」とゲストたちに思われそうなので、存在感は薄いけれど少し値が張る、イカ天入りを買うことにした。 最後は、お好み焼き粉。これまた種類の多さに面食らった。「山芋を入れるとフワフワになるよ」と夫から習っていたので、″山芋入り″の粉を手に取ったが、(粉末の山芋ってフワフワに戻るの? わからない、やめよう)。山芋は実物を擂ることにし、シンプルな粉を選んだ。袋の裏面には2人前の作り方が書いてあり、(参加者は7人。おかわりも考えて、10人分は要るな)と、5袋購入した。 ◆成功するか不安で眠れない 帰宅後は早速準備。だが、食材を切ろうとした時、(あれ? 一口大ってどのくらい?)と、わからなくなったのだ。独身時代は2cmくらいだと思っていたが、結婚後、「愛花とは身体の大きさが違うから、これじゃ小さいよぉ?」と夫に言われたことがあった。その時に、何事も人それぞれで、その人に合う大きさが一口大だと学んだ。(今回は誰に合わせたらいいんだ!?)と、悩んだ末、いろんなサイズに切ることに。おかげで見た目はバラバラ。結局、何も考えずに切ったような見た目になってしまい、悲しくなった。 その影響か、その晩、パーティーが成功するかどうか自信がなくなり、緊張も相まって、夜中3時頃まで眠れなかった。 そして当日。パーティーがスタートし、お好み焼き粉5袋を持ち「ジャーンッ!!」と皆さんの前に登場するや否や、土田さんから「何枚焼く気!?」との声が。「10枚分ありまーす?」と笑顔で返すと、「いやいやいや!」と袋の表面を指差した。そこには″10枚分″との表記が。そして裏面をよく読むと、″作り方(2枚分の場合)″とあった。うっかり、一袋が2枚分だと思い込み、50枚分の粉を買ってしまっていたのだ。当然食べ切れるわけがなく、宴の後には未開封のお好み焼き粉が4袋残った。 この秋、日村家の食卓にはお好み焼きが何度も登場している。今ではサササッとお好み焼きが作れるようになったし、スーパーでももう悩まない。食の常識の階段を、また一段、登れたのであった。 かんだ・あいか/1980年、神奈川県出身。学習院大学理学部数学科を卒業後、2003年、NHKにアナウンサーとして入局。2012年にNHKを退職し、フリーアナウンサーに。以降、バラエティ番組を中心に活躍し、現在、昼の帯番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)にメインMCとしてレギュラー出演中 『FRIDAY』2024年11月1・8日合併号より イラスト・文:神田愛花
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