今後は「挑んでみたいもの」から書きたい 湊かなえ
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(1月12日放送)に小説家の湊かなえが出演。最新作『人間標本』について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。1月8日(月)~1月12日(金)のゲストは小説家の湊かなえ。5日目は、『人間標本』に込めた思いについて― 黒木)小説家デビュー15年ということで、湊さんの作品に触れて「自分も小説家になりたい」という方も出てくるのではないですか? 湊)デビュー時にまだ学生さんだった方が、サイン会ごとに「小説を書いています」と報告してくださったりします。 黒木)素敵な小説家が出てきたら嬉しいですよね。ご自分もまた頑張ろうという気持ちにもなれますし。 湊)「ライバルになりましょう」と言っています。 黒木)そんな湊さんの最新作『人間標本』は、読んでいただきたい1冊になりました。 湊)ありがとうございます。「イヤミスの女王」や「原点回帰」というような帯ですが、これまでとは違う本になっています。「ミステリーって、どんでん返しを楽しむだけではなく、そのなかに気持ちが揺さぶられていく要素が入ったら、本を閉じるときにこんな気持ちになるんだ」という新しい気持ちを提供できているのではないかと思います。 黒木)その帯、変えたらどうですか?……私が言うのも変ですけれど。 湊)この帯にしたのは、「『告白』のような振り切れた人間の暗いところや、人間関係を書いたものが読んでみたいです」というデビュー時から応援してくださっている方々のリクエストが多かったので、「帰ってきたよ」という意味でこうしたのです。 黒木)そのような思いを込めて、「お待たせしました」ということなのですね。 湊)そこから広がっていくなかで、次は父と息子の物語など、いろいろと見え方が変わってきて、帯の文章なども少しずつ変えていけたらいいなと思っています。ただ、本が売れないと新しい印刷がないので、増刷されたら新しい帯になります。