競技レベル急上昇の神奈川 キラリと光るジュニア選手たち<全農杯2024年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 神奈川県予選会>
<全農杯2024年全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)神奈川県予選会 5月3日(金)川崎市多摩スポーツセンター> 今年、神奈川県卓球協会は100周年を迎える。 かつて、神奈川は実業団王国であった。日産自動車、武田薬品工業はじめ幾つもの企業卓球部が、神奈川県の競技レベルを牽引した。 現在は、木下グループが川崎市にTリーグ男女チームの拠点を構え、アカデミーの運営も行う。木下アカデミー生やJOCエリートアカデミー生など、日本トップレベルの中学生が在籍する星槎中学校も、横浜市にある。 今後の卓球ジュニア世代の行方を象徴する県域エリアの全農杯全日本ホカバ県予選を取材した。
神奈川卓球レベルの急上昇
「いま、神奈川県の卓球が急激に変化している」。 そう、神奈川県卓球協会副会長の河原智さんは語る。 「嬉しい悲鳴でもあるんですが、木下グループさんの卓球拠点も川崎にあり、星槎中学校は去年全中で初出場初優勝したりしています。いま、神奈川県のレベルが急激に上がっているので、例えば全国2位の横浜隼人高校でも、県予選がわからないくらいです」 それによって何が起こりうるのか。 「いま、神奈川県は県別の日本卓球協会登録人口1位で、その大半は中学生、高校生です。そこが減ってしまうことを我々は心配しています。もちろん神奈川の競技レベルが上がること自体は嬉しいことなので、普及も含めた全体像を見て、日本卓球協会が気配りや救済策も考えてほしいと思っています」。 “地方の雄”神奈川県が故に、部活動改革をはじめとした今後の日本の地域スポーツが乗り越えていく未来と課題にも、先に直面している。
武山紗子「実は緊張していた」
さて、神奈川県予選だ。 多くの有力クラブや熱意のある指導者たちが見守るなかで、子どもたちは生き生きとプレーしていた。 ハイレベルな神奈川県予選の中でも、とりわけ落ち着いた試合運びを見せていた、ホープス女子1位の武山紗子(相模原ジュニア)。昨年の全日本ホープス女子の部でベスト16入りを果たしている。 「実は、予選の1週間前くらいから緊張していました」と明かしながらも、“今年の目標は、まずはベスト8”と、全日本までに課題の克服を誓った。