災害時に緊急車両が通る橋、「地震などで崩落の恐れあり」が計354橋…優先順位考えず補強工事も
災害時に緊急車両が通行する「緊急輸送道路」にある橋(緊急道路橋)について会計検査院が調べたところ、岩手や山口など4県、横浜など2市にある計354橋で耐震性能が不十分なため、地震などで崩落する恐れのあることがわかった。
検査院によると、国は緊急道路橋について、阪神大震災と同程度の地震が発生しても、落橋などの甚大な被害が出ない耐震性能の確保を最優先し、対策工事を進めている。
検査院が国や30自治体の緊急道路橋を調べたところ、青森、岩手、長野、山口の4県、横浜、浜松の2市が管理する計354橋では、最優先の「落橋対策」が施されていなかった。6県市はその一方で、「落橋対策」済みで優先順位の比較的低い計22橋の補強工事を行っていた。
検査院は23日、国土交通省に対し、優先順位を定めて効率的に工事を進めることを求めた。同省は「指摘を踏まえ、引き続き耐震補強を推進する」とした。