パリ五輪のマラソンコースは「史上最難関」 高低差156メートル、対策必須 パリ五輪開幕まで3カ月
開幕まで3カ月を切ったパリ五輪。マラソンの舞台は「史上最難関コース」と称される。ベルサイユ宮殿で折り返し、エッフェル塔を見ながらゴールを目指す。42・195キロには随所に過酷なアップダウンがあり、路面の多くは走りづらい欧州特有の石畳だ。 コースは、フランス革命期の1789年にパリの女性が中心となって劣悪な食料事情に反発した「ベルサイユ行進」から着想を得たという。五輪史上初めて女子のレースが8月11日の閉幕日に行われ、男子は同10日に実施される。 特徴は最大156メートルの高低差で、東京マラソンの約40メートルの4倍近い。パリ市庁舎をスタート後、14キロ付近からが最初の難所。約6キロ続く上り基調の中に小刻みに下り坂がある。ベルサイユ宮殿でパリ市街地へ戻り始め、28キロ過ぎに最も激しい斜度の上り坂が約900メートル。上り終わると一気に駆け降りなければならない。 女子マラソン代表の前田穂南(天満屋)をはじめ、多くの五輪選手を指導してきた武冨豊専任コーチは「記録を狙うコースではない。これまでの経験で一番厳しいコース」とみる。アップダウンや暑さを味方に付けられるかがカギとなりそうだ。