中日ドラ3勝野をプロ初勝利に導いた“魔球”と度胸
中日のドラフト3位、勝野昌慶(21)が24日、神宮球場で行われたヤクルト戦で登板2戦目にしてプロ初勝利を挙げた。女房役の松井雅が足を痛め2回の守りから加藤にスイッチするアクシデントがあったが、動揺することなく角度のある最速148キロのストレートに加えて打者の手元でボールを動かす“魔球”を操り、ヤクルトの強力打線を7回途中までバレンティンの一発だけに封じ込めた。打線もつながって6-1の快勝。まだ借金「5」だが、今日25日のヤクルト戦に連勝すれば、順位が入れ替わって4位浮上となる。 連敗ストッパーはドラフト3位のルーキーだった。 6回までわずか2安打。強力打線を手玉に取った。7回先頭のバレンティンに浮いたスライダーをレフトスタンドに運ばれ初失点したが、村上、坂口をそのスライダーで連続三振。中村を歩かせ球数が112球に達したところで交代となったが、クオリティスタートを守り堂々のプロ初勝利を手にした。 「たくさんのファンの皆様の前で勝つことができたのでとても嬉しいです。前回(17日の巨人戦)もいいピッチングができたのですが、負けてしまったので絶対に勝つという気持ちできました」 三菱重工名古屋出身の21歳は初々しくアウェー神宮でのインタビューに答えた。 プロ初登板の抜擢を受けた17日の巨人戦でも5回を無失点。6回に3失点し味方打線の援護なく負け投手になったが、この日は、先制、中押し、ダメ押しと、クリーンナップが6打点を稼ぐ理想のパターンで初勝利をバックアップしてもらった。 圧巻は「全球勝負で行った」という6回のピッチング。先頭の代打・宮本を歩かせたが、山田はバットの先、青木には7球連続ストレートで攻め、粘り負けせず最後はフォークでスイングアウト、3人目の雄平には逆にフォークを4連投。ボールになるフォークで二ゴロに仕留めた。なんとも凄まじいピッチング内容だ。 与田監督に勝野のどこが買いですか?と聞くと「マウンドさばきだね」と即答した。 いわゆるマウンド度胸、投げっぷりと呼ばれる部分。とにかく強気に攻めるのだ。 「自分のボールに自信をもってストライクゾーンに投げ込むことができました」と本人も言う。