【日本S・今中慎二の目】「3連戦の先発がほぼ完璧」3連勝で”下克上”日本一王手のDeNAは「東の気迫ある投球が投手陣に乗り移ったかのように良い方向へ向いた」
【今中慎二の目】◇31日 SMBC日本シリーズ2024 ソフトバンク0―7DeNA(みずほペイペイドーム) 本拠地で連敗したDeNAが、敵地に乗り込んで3連勝し、2010年ロッテ以来2度目となるレギュラーシーズン3位から”下克上”での日本一へ王手を掛けた。 DeNA先発の右腕ジャクソンが7イニングを3安打、7奪三振の無失点に封じた。NHKラジオの解説も務めた本紙評論家の今中慎二さんは6回の攻防を注目した。その時点ではDeNAの4点リードだった。 「序盤は圧倒する抑え方。ジャクソンは抑えれば勝ちが近づいてくる重要なイニングで、ギアを上げましたね」 ジャクソンは第1戦、5日前の先発で打者21人に対して5四球を与えていた。ほぼ4人に1人を歩かせるほど制球に苦しんだ。中4日の先発で初めて四球を与えたのが6回。ギアを上げたのは、球速がこの日最速の155キロを出したことでも明らかだった。笹川と柳田を抑えた後、栗原を歩かせると、捕手の戸柱が駆け寄り、ジャクソンはひと呼吸おいた。 「自ら気持ちを切り替えようとした。その”間”が大事なんです」 今年レギュラーシーズンで8勝7敗、中日に2勝2敗だった右腕。6回を乗り切ると、7回も2四死球でピンチを招いたが、ここも踏ん張ってみせた。DeNAは強力打線のソフトバンクを、敵地での初戦の1回に1点を与えただけで、2回以降この試合まで26イニング連続で得点を与えなかった。 「DeNAの東、ケイ、ジャクソンと3連戦の先発がほぼ完璧。東の気迫ある投球が投手陣に乗り移ったかのように、良い方向へ向いたと思います」と今中さんは語った。
中日スポーツ