日本での登板過多を危惧 入札球団が合同で調べるマー君の肩と肘
■松坂、和田、藤川が渡米後に手術 メジャーには、過去に大型投資をした日本人投手が、渡米後、肘の靭帯再建手術に至ったケースが、少なくない。レッドソックスの松坂大輔は、入団3年目以降、球威を落とし、2011年に手術に踏み切った。オリオールズの和田毅は入団初年度の春季キャンプで肘を痛めて、手術。メジャーでは、1球も投げず契約を満了した。カブスの藤川球児も、入団1年目の春先に肘がパンクした。メジャー球への対応やマウンドの傾斜などの影響もあるだろうが、メジャーサイドは、いずれも、日本時代の酷使が遠因となって肘が限界に来たと見ている。 だからこそ100億円以上の大型投資が必要と言われるマー君の獲得に参戦した各球団が、田中の肩、肘に目を光らせる。勤続疲労による肩、肘の現状と、今後、長期離脱を余儀なくされる手術の懸念があるのかどうかなど、巨額な札束が紙くずにならないように、交渉のテーブルにつく前に、メディカル・チェックの結果を検証したいのは球団経営の見地から見ても当然だろう。 ■検査結果によっては契約破棄も ちなみに、身体検査の結果は、一両日中には明らかになり、それを各球団が自軍に持ち帰り、スタッフと協議、判断は、それぞれの球団に委ねられる。必要であれば、自軍での再検査などを行うと見られる。その結果次第では、入団合意が一転、契約破棄という事態にもなりかねない。 例えば、岡島秀樹は、2012年2月に、マイナー契約したヤンキースのキャンプ地に入ったが、現地で行われたメディカル検査で、左肩に異常があったと判断され、契約を破棄された(翌年には、アスレチックスが問題なしと判断してマイナー契約に至っている)。最近では、今オフの12月に、オリオールズは、FAの抑えバルフォアと契約に基本合意していたが、身体検査の結果を受けて、契約を撤回している。全米が注目しているマー君の交渉も、メディカル・チェックと平行して行われる。