日本での登板過多を危惧 入札球団が合同で調べるマー君の肩と肘
■日本での登板過多を危惧する入札球団 ポスティングでの大リーグ移籍を目指す楽天の田中将大投手は、交渉のため緊急渡米したが、最初に降り立ったロスでは肩、肘のメディカル・チェックを受けると見られる。米国時間の9日、CBSのジョン・ヘイマン記者が、「田中がロスで身体検査を受ける」と、報じたもの。複数の報道を総合すると、田中は、ロスの病院で、メディカル・チェックを受け、入札球団が、その結果を全員で“シェア“(共有)する方向だという。 [表]マー君2013年の登板試合/[記事]マー君と江川卓の共通点
松坂大輔やダルビッシュ有ら、過去のポスティング制度の場合、交渉は単独球団だったので、メディカル・チェックは、当該球団のチームドクターの診断を受ければ良かったが、新制度の今回は、上限枠約20億円を入札した複数球団による競合となり、しかも、交渉期限は1か月しかないため、それぞれの球団がメディカル・チェックを行うには時間がない。どの球団も、早くメディカルの結果を知りたい共通の思惑があって、検査結果を全球団で共有するという異例の形になったようだ。 ■25歳までの1315回登板は前例がない 田中のメディカル・チェックに、メジャー側が注目するのには訳がある。日本での登板過多による肩、肘への影響が懸念されているからだ。田中は、楽天での実働7年間で、毎年20試合以上を投げ(計175試合)、1315イニングを投げた。「25歳までに1315イニングを投げた投手はメジャーで過去35年いない」とも報じられている。 日本シリーズの巨人戦では、第6戦に160球を投げて完投した翌の第7戦で救援登板をした。感動的な胴上げ投手となったが、2日間で175球を投げたことは、米メディアにも大きく報じられ「クレージー」という声も起きた。あるメジャーの球団幹部は、「楽天の支配感選手がどう起用されようと、何も言える立場じゃないが、来年にもメジャーに来ると聞いた。投資する側にしてみれば、これほど心配な話はないだろう」と、語っていた。