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モバイルバッテリーの発火により焼け焦げた車のシート（乙訓消防組合提供）

モバイルバッテリーの発火で焦げた民家のカーペット（乙訓消防組合提供）

　モバイルバッテリーなどに使用されるリチウムイオン電池が原因とみられる火災が、京都府乙訓消防組合管内で相次いでいる。高温の車内で発火するケースもあり、同組合は注意を呼びかける。酷暑が続く今夏、身近な電子機器の取り扱いに一層気を配る必要がある。 【写真】飼い犬がかんだ衝撃で 　火災は6月だけで3件、いずれも長岡京市内で発生した。1件目は、路上で作業中のごみ収集車の中で起こった。モバイルバッテリーのようなものが収集車の圧力でショートを起こしたとみられる。 　2件目は駐車中の車内。当日の京都の最高気温が30度を超える中、車内に置いていたモバイルバッテリーが熱暴走を起こし、発火したことが原因だという。 　3件目は民家で発生。飼っていた犬がモバイルバッテリーをかんだことで発火したものと思われる。 　リチウムイオン電池は、他の電池に比べて小さいサイズで大きなエネルギーを得ることができるため、今では多くの製品に使用されている。しかし、同組合によると、リチウムは可燃性があり、灯油と同じ部類の「第2石油類」に分類される。一度衝撃などが加わりショートを起こすと、暴走的に燃える危険があるという。リチウムイオン電池の内部は、非常に薄い銅やアルミなどの金属と絶縁部が何重にも巻かれてできている。そのため、衝撃などで絶縁部が損傷しやすい。 　また、特に注意が必要なのは、車内への放置。長期間使用し劣化しているものは、高熱を与えると発火する危険性が高まるという。夏は車内がすぐに高温になるため、リチウムイオン電池を使った製品を放置しないことが重要だ。 　同組合は予防策として、購入時に安全性を満たしていることを証明する「PSEマーク」が付いている製品を選ぶことや、圧力や衝撃を与えないこと、異常のある製品を使用しないことなどを挙げ、「取り扱い方法や廃棄方法にはいっそう気をつけてほしい」と呼びかけている。