広陵監督、高尾は「どこに出しても恥ずかしくない」 センバツ
第96回選抜高校野球大会は第4日の21日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で1回戦があり、昨秋の中国大会優勝の広陵(広島)が3―1で四国大会王者の高知を降した。 【熱戦をもう一度】広陵-高知(1回戦) 広陵の中井哲之監督の試合後の主なコメントは次の通り。 ◇広陵・中井哲之監督 打線には低めの変化球だけは手を出さないよう指示した。前半はうまく点が取れたが、低めのボール球を振ってしまって流れは良くなかった。投手がよく頑張った。(3点目は代打、代走が活躍)自分の役割を分かっていて、感心した。 (甲子園球場は)みぞれみたいのが降りましたね。風もすごかった。「常に体を動かしながら、確認をしよう」と言った。 寒いと(手などが)かじかんで、その分力んだり、球を引っかけたりする。でも、広陵は(グラウンドが)寒いので。高知より寒いところで練習していたのがよかったのかな。 (完投したエースの高尾響は)勝とうと思って、(コースに球を)入れたり、引いたり抜いたりしていた。でも、ノーアウトのランナーを出したり、スリーボールまで行ったりしたのが響らしいといえば響らしい。そこをよく抑えてくれた。エラーもあったんですけど、よく頑張ってくれた。 (冬場の高尾の様子は)任せていた。僕が見張って、ああだこうだ言っても、「はい」ってやるタイプじゃないんで。 でも、今日は寒い中でもあんな球を投げるし、バッターを見ていた。前半と後半の使い分けも非常にうまいものがある。コーチ陣や分析してくれる同級生がいて、しっかりそれを把握してやっていたんだと思います。 (高尾の精神面の成長)全然違うんじゃないですかね。人として、どこに出しても恥ずかしくない。入ってきた時もちゃんと教育をされた子で、目配り、気配りもできるし、物おじしない子だった。それプラス、経験のない同級生、下級生に気が配れる。優しい、いい子です。 (歴代の広陵出身の好投手と比べると、高尾は)勝てる子ですよね。完投能力、連投、勝てることに関しては一番じゃないかなと思います。(報道陣の)みなさんは「体が小さいから」ってよく心配されるんですけど、そこをどう思われるかじゃないですかね。球のスピン量はすごいみたいですから。 (勝てる能力とは)匂いがするんじゃないですか。感覚がいいというか。(打者が)右を狙っているとか、変化球は打てないとか、真っすぐしか狙っていないとか。 (目配り、気配りでいえば)荷物も一番持ちます。今日も朝食のバイキングで、コーヒーをいれてくれました。でも、(中井監督の)食事が終わってませんでした。「中途半端コーヒーじゃん」って言ったら、「失礼しました」って言ってましたけど(笑い)。 監督の近くって嫌じゃないですか、基本。怒るか怒らないか、見てるんじゃないですか。「今、怒らん」みたいな。やばいと思ったら離れておこう、みたいな。まるで高校生の時の僕みたいなやつです。 今日ね、女子野球が全国大会(全国高校女子硬式野球選抜大会)で初勝利したんですよ。それを(甲子園に向かう)バスの中で確認して、「おーい、そろって勝とうで」って言った。一応、僕、女子の総監督なんで。 勝ったのをバスの中で確認して、「おいおい、負けるわけいかんで、こっちも」って感じで来ました。女子の勝利もすごくうれしい。 「女子に教えるくらい笑顔で男子を教えてくれ」ってよく言われるんです。女子を教えると僕の勉強にもなる。女の子は学ぼうとする姿勢がすごいですよ。