ピムコ、利回りに「一世一代のリセット」-債券投資の黄金時代復活へ
ピムコの運用担当者によれば、株式のバリュエーションに無理が生じている可能性があることは、債券にとって好都合だ。景気を刺激もせず減速させもしない、いわゆる自然利子率(中立金利)を巡る議論は「債券投資家のチャンスが増えることを意味する。すでに織り込まれている利回りが、プラスの実質金利とタームプレミアムの形で緩衝材の役割を果たすからだ」とも説明した。
現在の債券市場は4%に近い中立金利を想定しているが、インフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)が目指す目標近くに落ち着けば、FRBが想定する2-3%により近づくとピムコではみている。
同社はそれでも米国と世界の財政見通しと、長めの国債利回りが短期のベンチマークよりパフォーマンスで劣る可能性に慎重だ。米国では5年債に価値があると同社はみており、それより長い期間の米国債が現在同じような水準で取引されているものの、金利リスクはより大きいと指摘した。
リポートはまた、米国の財政赤字が原因で長期債にリスクがあるとした最近の警告を繰り返した。11月になってもそれが変わる可能性は低いとし、「選挙結果にかかわらず、財政赤字は歴史的な高水準を維持する可能性が高い」と述べた。
米国債発行への懸念から10年債利回りが5%に達した、昨年10月の米国債「タントラム(かんしゃく)」に触れ、「当社の基本シナリオでは突然の金融危機は想定していない。しかし財政問題が脚光を浴びれば市場のボラティリティー上昇が繰り返されるリスクはある」とした。
この先5年間、投資家が考慮すべき他のポイントは以下の通り:
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原題:Pimco Says ‘Generational Reset’ on Yields to Spur a Bond Revival(抜粋)
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Michael Mackenzie