UACJと東洋製罐GHD、「低炭素アルミ缶蓋」開発。リサイクル材比率大幅引き上げ
UACJと東洋製罐グループホールディングスは4日、低炭素飲料用アルミ缶蓋「EcoEnd」(エコエンド)を開発したと発表した。リサイクル原料の配合比率を2倍以上に引き上げ、製造工程で発生する温室効果ガス(GHG)を約4割削減した。現行の飲料缶蓋と比較し、10億枚当たりのGHG排出量が約1万3千トン削減できるもので、東洋製罐の国内販売分をすべて置き換えた場合、GHG排出量は年間約14万トン削減される見込み。 缶材は3000系のボディ(缶胴)材と5000系のエンド(缶蓋)材に分かれており、ボディ材には使用済みアルミ缶(UBC)由来のリサイクル原料が多用されている。一方で缶蓋は、加工性や強度といった品質を確保するために新地金を活用するのが一般的で、クローズドループリサイクルの実現は業界の課題だった。 UACJはエコエンドの開発に当たり、缶蓋の原料を3000系合金としてリサイクルが可能な合金に置き換えた。これにより新地金の配合比率を従来の約66%から約25%まで低減した。この材料製造技術に加え、東洋製罐が新合金でも強度と開けやすさのバランスを確保した蓋成形技術を用いて実現した。 UACJと東洋製罐GHDは2月に業務提携契約を締結し、飲料容器サプライチェーンのGHG排出量削減に取り組んできた。今回の成果はその一環。エコエンドは、飲料充填後の蓋を取り付ける設備の変更を伴わないのもポイントとなる。東洋製罐GHDではすでに新技術を大手顧客向けに提案し始めており、顧客承認の進ちょくに合わせてエコエンドへの切り替えを勧めていく方針。