横浜FM、雨中の死闘制し初のアジア制覇に王手! PK戦の末に蔚山撃破でアル・アインとのファイナルへ!
横浜F・マリノスは24日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で蔚山現代FC(韓国)と対戦し、3-2で終了。この結果、2戦合計スコア3-3となり、PK戦の末に5-4で勝利した横浜FMが決勝進出を決めた。 【動画】死闘を制した横浜FM全ゴール! 17日に敵地で行われた第1戦で0-1で敗れた横浜FM。クラブ初の決勝進出に向けて、本拠地・横浜国際総合競技場に蔚山を迎えた。 90分でファイナルに進むためには2点差以上の勝利が必要なゲーム。試合は序盤からホームの横浜FMが攻勢に出る。4分、松原健の浮き球のパスに抜け出したヤン・マテウスがボックス右からカットインシュート。これはわずかにゴール左外へ。8分にもヤン・マテウスのクロスからゴールを脅かすなど、蔚山を攻め立てる。 すると13分に先制点。ヤン・マテウスがボックス右手前から中央へパスを送る。アンデルソン・ロペスのスルーに反応したナム・テヒはうまく収められなかったものの、ボックス右に流れたボールを植中朝日がいち早く反応。右足で放ったシュートはGKチョ・ヒョヌの足に当たったものの、ボールはそのままゴールネットを揺らした。 悲願に向けて幸先よく先制した横浜FMは16分に榊原彗悟、19分に永戸勝也が惜しいミドルシュートを放つなど、追加点を狙う。迎えた21分、ボックス手前でエウベル、ヤン・マテウスとつなぐと最後はアンデルソン・ロペスが左足を振りぬく。これがゴール右隅に突き刺さった。 2戦合計スコアを2-1とし、逆転に成功した横浜FMだが、攻撃の手を緩めない。30分、相手の縦パスをカットした流れからボールはナム・テヒを経由して敵陣中央の植中へ。そのままボックス手前まで持ち運ぶと、右足で巻いたシュートを放つ。目の前の相手DFが死角になったか。名手GKチョ・ヒョヌは一歩も動かず。インサイド回転のかかったボールはゴール右隅に吸い込まれた。 リードを広げた横浜FMだが、ここから蔚山の猛反撃を受ける。35分、イ・ドンギョンからの右CKをニアサイドでマテウス・サレスに頭で合わせられる。これがGKポープ・ウィリアムの上を通過し、1点を返された。 さらに39分、34分に投入されたダリヤン・ボヤニッチのスルーパス。オム・ウォンサンに抜け出され、ボックス右への侵入を許す。追いついた上島拓巳がスライディングでの対応を試みると、切り替えしが支え手として残していた右手にボールが当たってハンドの判定でPKを献上。さらにこのプレーにレッドカードが提示された。 PKはダリヤン・ボヤニッチに逆を突かれて、2戦合計スコアを3-3のイーブンに。さらに横浜FMは数的不利という苦しい状況に置かれた。 その後は押し込んでいた状況が一変し、蔚山ペースに。それでもなんとか耐え凌ぎ、3-2(2戦合計:3-3)で試合を折り返した。 1人少ない横浜FMは後半開始からエウベルとナムテヒに代えて、エドゥアルドと山根を投入してバランスを整える。しかし、開始直後にピンチが。47分、ボックス右に侵攻したソル・ヨンウの2度の切り返しに翻弄されると、最後は落としたボールをダリヤン・ボヤニッチに右足で合わせられる。これがGKポープ・ウィリアムの足元を通過してゴールへ。ところが、VARの判定により、GKポープ・ウィリアムの視界にいたグスタフ・ルドウィグソンがオフサイドポジションにいたとし、ゴールは取り消された。 命拾いをした横浜FMだが、その後も押し込まれる展開に。それでも攻撃のチャンスを窺っていると63分にはアンデルソン・ロペスのパスを受けた永戸勝也が左サイドからファーサイドにクロスを供給。これをヤン・マテウスが頭で流し込むも、わずかに最終ラインから体が出ており、オフサイドの判定が下される。 後半半ばに差し掛かると蔚山にボール保持を許し、横浜FMは我慢の時間帯が続く構図。終盤に入ると、蔚山が激しく攻め入る。85分には敵陣中央でボールを持ったマルティン・アーダームが強烈なミドルシュート。87分には細かなパスワークからボックス左に侵攻したグスタフ・ルドウィグソンがゴール前にグラウンダーのクロスを送る。これをキム・ミヌに合わせられるも、左ポストに直撃した。その後も横浜FMはクロスを多用する相手に押し込まれ続けたが、体を張って死守。90分では決着がつかず、試合は延長戦に突入した。 延長開始からキム・ヨングォンの強烈なミドルシュート、イ・チョンヨンの枠をわずかに逸れるヘディングシュートを受けるなど、依然として押し込まれる展開が続く横浜FM。カウンターから敵陣に侵攻し、1点をもぎ取ろうとするが、チャンスらしいチャンスは作れず。 それでも延長後半に入ると、横浜FMにチャンス。108分、左サイドの敵陣深い位置で天野純が相手からボールを奪うと、すかさずボックス内へパスを送る。これ受けた水沼が右足を振り抜き、ボールはゴール左隅を捉える。しかし、GKチョ・ヒョヌのファインセーブに阻まれた。 少ないチャンスをモノにできなかった横浜FMは114分、蔚山に粘り強くボックス内に攻め込まれると、最後はケルヴィンがボックス左から右足シュート。しかし、わずかにGKポープ・ウィリアムが触ると、左ポストに当たってボールは外に外れた。116分には左CKからイ・ミョンジェがシュート。これをキム・ヨングォンが触ってコースを変えると、GKポープ・ウィリアムが弾くも、キム・ミヌにプッシュされた。ついに失点かと思われるも、キム・ミヌがオフサイド。横浜FMがギリギリのところで耐え抜き続ける。 GKポープ・ウィリアムが足をつるほどの死闘。それでも120分耐え凌ぎ、勝負の行方はPK戦に委ねられることになった。 ホーム側のゴールで行われたPK戦は横浜FMサポーターが後押しする中、蔚山5人目のキム・ミヌがゴール右下を狙ったシュートをGKポープ・ウィリアムがストップ。対する横浜FMは、エドゥアルドが決めて試合終了。死闘を制した横浜FMが初の決勝進出を決めた。 もう1つの西地区準決勝ではアル・アイン(UAE)とアル・ヒラル(サウジアラビア)が対戦し、2戦合計5-4で勝利したアル・アインが2016年大会以来7大会ぶりの決勝進出を決めている。 横浜FMは初のアジア制覇をかけて、エルナン・クレスポ監督率いるアル・アインとファイナルを戦う。決勝戦は5月11日(土)に第1戦、5月25日(土)に第2戦が行われる。