アイルランドなど欧州3カ国がパレスチナ国家を承認、西側諸国に追随求める
アイルランド、スペイン、ノルウェーは22日、パレスチナを28日付で国家として承認すると発表した。その上で、他の西側諸国による追随を期待するとした。一方、イスラエルは反発し、3カ国の駐在大使に即時帰国を指示した。 アイルランド ハリス首相 「本日、アイルランド、ノルウェー、スペインはパレスチナ国家を承認することを発表する」 アイルランド、スペイン、ノルウェーの3カ国は22日、28日付でパレスチナ国家を承認すると発表し、他の西側諸国にも後に続くよう促した。 スペインのサンチェス首相は、3カ国はこの決断がイスラエルとイスラム組織ハマスとの停戦実現に向けた機運を高めることを期待していると述べた。イスラエルは直ちに3カ国の大使を召還した。 5月初め、国連総会はパレスチナの正式加盟を圧倒的多数で支持した。これは事実上、パレスチナ国家を承認することになる。「今後数週間で、さらに多くの国がこの重要な一歩を踏み出すことになると確信している。これはアイルランドにとってもパレスチナにとっても歴史的で重要な日だ」(ハリス首相) イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区で限定的な自治権しか行使できないパレスチナ自治政府と、ガザ地区を実効支配するハマスはこの決定を歓迎。一方イスラエルのカッツ外相は、パレスチナ国家の承認は、イスラエルの自衛権およびハマスに拘束された128人の人質解放に向けた努力を損なうものだと非難した。 スペインの首相は、イスラエルは同国南部を襲撃したハマスに対応する権利があると述べた。だが、ガザで行ったような対応ではないと指摘した。 スペイン サンチェス首相 「ひとつはっきりしたことがあるとすれば、(イスラエルの)ネタニヤフ首相はパレスチナのための和平計画を持っていないということだ。10月7日の事件を受けてテロリスト集団と戦うことは正当であり、必要なことだ。しかしネタニヤフ首相は、ガザをはじめとするパレスチナ全土に多くの痛みと破壊、そして憤りを生み出しており、二国家解決の可能性は深刻な危機に瀕している」 スペイン首都マドリードでパレスチナを支持するデモを続けている学生たちは、発表を歓迎したが、十分ではないと指摘する。 パレスチナ支持派の学生 「これは空虚な言葉だ。大量虐殺を行うイスラエルに武器を売り続けるなら、パレスチナ国家を承認しても意味がない。我々はこのような空虚なジェスチャーに終止符を打ち、イスラエルとの関係を直ちに断ち、武器売却の停止を要求する」 フランスは22日、パレスチナを国家として承認する条件は満たされていないとして慎重な姿勢を示した。