青木さやか「自分発企画、大泉洋さんと北海道・旭川市でトークショー!翌日はなぜかタクシーで路線バスを追いかける羽目に」
◆乗車するはずのバスに乗り遅れ ドーミーインに荷物を預け、手ぶらで出発。スマホと財布とオヤツをポケットに入れ、これぞ本当の手ぶら!11時20分のバスに乗るため歩き始めたが、旭川の道は広く、日影がほとんどない。暑い暑いと止まったり、おお、ここのラーメン屋さんは列が!とか、覗いていたらあっという間にバスの出発時間が近くなってきた。いかんいかんと、急ぎだすが51歳の体は、そんなに急げない。と、200メートルほど先にいるバスが(多分、あのバス)出発してしまった。 いけない!美瑛白金温泉までは、あれでいかねばならないのだ、確か、美瑛までJRで行けても、そこからバスが相当ない。 よし、ここは、あのバスを追いかけて、先回りして、次のバス停から乗ろう!頭いい!とタクシーに乗り込んだ 「運転手さん、あの、あーもう見えないけど、道北バスの、美瑛行きのバスを追いかけてください、で、追い越してもらえますか?」 「え?」 「ですんで、あの、バスに乗ろうと思ってですね、でも、行っちゃったんですよ、だけど、乗りたいんです、バス、だから、追いかけて、追い越してもらえますか?」 「わかった」 「ありがとうございます!」 「どっち行ったの?」 「バス?」 「バス」 「あっちです!」 「あっちじゃないけどねえ、美瑛は」 「え」 「あっちだよ、美瑛は」 おじいさんは、反対側を指差した。 「でも、たしかに、11時20分に出発したバスは、あのバスしかなかった」 「あれやない?ぐるーと、回って、人乗せて、行くんやないの?」 「ああ、そうですかね、でもでも、大丈夫、このルートでバスを追いかけてください!」
◆なかなかバスに追いつかず…… わたしは道北バスが、旭川を出て美瑛までどの停留所に停まるのかを調べ運転手さんに伝えた。遠回りやけどねえ、と言いながら、タクシーは、ようやく出発した。 わたしは、都内でよくバスに乗る。各停留所で止まり、人を下ろして乗せて、すぐに追いつくはずだ。 ところが、なかなかバスに追いつかない。わたしを乗せたタクシーは、市街地をすぎ、国道に入った。 「遠回りしなかったら、あんた、もう追いついとったよ」 「すいません」 「遠回りしたからね、人を乗せるから、バスは、だから、ぐるーとまわるから、先回りして国道に出とったら。遠回りしたからね」 おじいさんは、壊れた人形のように遠回りをした件について繰り返した。メーターはすでに2000円をこえていた。 「あ、あれじゃないですか!バス!」 前方に見えるのはたしかにバスだ。トラックじゃない 「あれだねえ」 「バス停で止まれば、追い越して、そのまた次の乗れますね!」 ゴールは見えた、と思ったら、そこからがスタートだった。都会と違って、バス停にはどうやら人がいないのだ。バスは止まらない。そして、国道だからか、なかなかのスピードでバスは走っていく。タクシーのおじいさんは、タコメーターがあるからスピードは出せないからねえ、と言う。なんならバスより遅い。 メーターは4000円目前。 気がつくとバスに先導してもらいながら、延々タクシーで美瑛に向かっていた。 節約旅を希望していたが バス先導のタクシー青木様がゆくVIP旅に変更。 色々なことが忘れられない旭川。
青木さやか
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