妻夫木聡、台湾は「大切な場所」 観光イメージキャラクターに就任、台北で記者会見
(台北中央社)俳優の妻夫木聡が交通部観光署(観光庁)の日本向けイメージキャラクターに就任し、4日に台北市内で開かれた記者会見に出席した。これまでに10回以上訪台しているという妻夫木は台湾を「すごく大切な場所」だと形容し、「新しい台湾の魅力を伝えられるようこれから頑張りたい」と意欲を示した。 妻夫木は映画の撮影で台湾に1カ月余り滞在した他、昨年も映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)の関連イベントや授賞式に合わせて訪台するなど台湾とは縁が深い。 妻夫木は冒頭、中国語での自己紹介を試みるも言い間違え、照れた笑みを浮かべて「もう一度」というジェスチャーをしてから、「大家好,我是妻夫木聡」(こんにちは、妻夫木聡です)と再度あいさつ。「ここに来られてうれしいです。なぜなら台湾を愛しているからです」と英語で述べると、大きな拍手を浴びた。 台湾を好きな理由を聞かれると「やはり人ですね」と回答。台湾の人たちは本当に素晴らしい人ばかりでいつ来ても温かく迎えてくれるとし、「優しいところが大好きです」と顔をほころばせた。また、台湾観光イメージキャラクター就任は「まさか自分がこんな大事な役職に就くとは思っていなかったので、本当に光栄」と語った。 妻夫木は今回、台湾観光PRフィルムの撮影のため、5泊6日の日程で訪台。日月潭(中部・南投県)を訪れた他、阿里山(南部・嘉義県)で茶摘み、北東部・宜蘭県でエビ釣りを体験するなどしたという。茶摘みをした後に茶畑で飲んだお茶の味は「格別でした」と振り返った。 自身が旅で大事にしているのは「食」だと明かした上で、「台湾のご飯は本当においしい」と太鼓判。「太ってしまうのではないかと心配になるほど」だとし、日本の人には「ローカルなお店に行って、台湾の方々が普段食べている食事をぜひ味わってもらいたい」と力説した。「おじちゃん、おばちゃんがいろいろ優しく教えてくれます」と紹介し、「いっぱい台湾の方々に触れて癒やされて帰ってほしい」と訪台を呼びかけた。 観光署は日本を重要市場と位置付ける。昨年度は「ビビビビ!台湾」をキャッチコピーに、20~39歳の女性を主なターゲットにPRを行ったが、今年度はさらに「したいことぜんぶ!」のメッセージを加え、従来からの主要ターゲットに加えて20~39歳の男性と40歳以上の男女へのPRを強化する。 周永暉(しゅうえいき)観光署長は記者会見後の囲み取材で、今年の訪台客数目標1000万人の達成に向け、日本市場に照準を合わせると説明。個人旅行については4人同行でそのうちの1人の航空券を無料にする優遇措置を第4四半期から開始する他、団体旅行には補助金を出し、日本から東部の花蓮や台東への観光を促すとした。4月の東部沖地震で被災した花蓮の景勝地、タロコ(太魯閣)に関しては、年末または旧正月前をめどに部分的に一般開放を再開できる見通しだと明らかにした。 (名切千絵)