スマホが2つ、TVが1つあるのですが、「NHKを見られる媒体全て」で受信料を払うべきでしょうか? かなりの額になるので不安です…。
NHKの放送を受信できる媒体を所有している世帯は、NHKを見る見ないにかかわらず、受信料を支払う必要があります。これは、法律を根拠にしている「義務」のため、正当な理由がない限り、支払いを拒否することはできません。 心配になるのは、NHKの放送を受信できる媒体を複数所有している場合でしょう。TVとともに、NHKの放送が受信できるスマホなどを所有している場合は、その分の受信料も必要になるのでしょうか。受信料徴収の法的な根拠などとともに解説します。
NHKに「受信料」が必要な理由
公共放送であるNHK(日本放送協会)には、全国各地に情報や文化を届ける役割があります。ただ、そのためには、経済状況に影響されない安定的な運営財源が必要になります。 民間放送のように広告料を主な財源にしていると、経済状況の影響を受けてしまう可能性があるため、NHKでは受信料を主な運営財源としているのです。なお、2024年度の「収支予算書」によると、事業収入約6020億円のうち、受信料は約5810億円で、事業収入の約96%を占めています。
NHKが受信料を徴収できる「法的な根拠」とは
NHKが受信料を徴収できるのは、「放送法」が根拠となっているからです。「放送法」の第六十四条第1項には、「NHKの放送を受信できる設備を設置した者は、受信契約を締結しなければならない」という旨の規定があります。 また、「放送法」の第六十四条第3項では、「NHKは受信契約の条項については、総務大臣の認可が必要」としています。この、「放送法」第六十四条第3項に基づいて定められているのが、「日本放送協会放送受信規約」です。 当規約第5条では、「受信機の設置の月からその廃止の届け出のあった月の前月」まで、受信料を支払わなければならないと定められています。このように、NHKでは「放送法」を根拠にして受信料を義務化しているため、TVなどの媒体を設置している場合は、受信料の支払いに応じる必要があります。
受信可能な媒体を「複数所有」している場合はどうなる?
NHKの受信契約は、1世帯1契約が原則となっています。そのため、NHKの放送を受信できる媒体を複数所有していたとしても、徴収されるのは媒体1台分の受信料のみです。なお、社会人の単身赴任や学生の1人暮らしなどの場合は別世帯となるため、各世帯から受信料が徴収されます。 ・受信料の対象になる媒体とは 受信料の対象になる媒体は、TV、TVチューナー内臓のパソコン、ワンセグ対応のスマホなどです。なお、ラジオは受信料の対象にはなりません。 ・受信料はいくら? 2024年度の受信料は、地上波のみが月額1100円、地上波プラス衛星放送が月額1950円となっています。 ・受信料の支払い方法 受信料の支払い方法は、口座振替、クレジットカード継続払い、払込用紙による支払いの3種類です。 ・受信料の支払いを拒否した場合 受信料の支払いを拒否した場合にまず行われるのは、訪問や文書などによる受信料制度の意義に関する説明です。それでも支払わずにいると、民事手続きによる支払督促に進みます。また、契約自体を拒否している場合は、最終的に民事訴訟に発展する可能性があります。 ・学生などは受信料が免除になる場合がある 親元を離れて1人暮らしをする学生または単身赴任者や公的扶助受給者などは、受信料免除制度や割引制度の利用が可能です。なお、免除や割引を受けるためには、該当者ごとに異なる所定の手続きを踏む必要があります。