松本国際、思い通りの試合運びをできず 上越と1-1ドロー
高円宮杯JFA U-18 サッカープリンスリーグ2024北信越2部は27日に第4節を実施。上越高校グラウンドで行われた上越(新潟)と松本国際(長野)の一戦は両者譲らず、1-1の引き分けとなった。 【フォトギャラリー】上越 vs 松本国際 【フォトギャラリー】上越 vs 松本国際 開幕戦は星稜2nd(石川)に敗れた松本国際だが、以降は高い位置から積極的に奪いに行くスタイルを取り戻し、2連勝。良い流れのまま上越戦に挑むつもりだったが、この日は上手く行かない。「今までの遊学館や丸岡は前からガンガン来ていたので、早い判断で動かしていたけど、今日は来なくて戸惑っていた」と振り返るのは勝沢勝監督。 敵将で元Jリーガーの藤川祐司監督もこう口にする。「普段ならもう少しビルドアップして揺さぶるのですが、相手は前から奪いたちチームだとスカウティングで分かっていた。それなら、そこのラインを突破して、早めにトップに付けようと狙っていました」。 上手くリズムを作れない中でもチャンスを伺った上越は前半8分にMF8久保隼真(2年)のパスからチャンスを演出。FW11関泰洋(3年)、MF4宇留賀大希(3年)と素早いパス回しで右から左にサイドを変えて、最後はMF10稲吉海斗(3年)がゴールを狙ったが、得点には結びつかない。 以降も関や稲吉を起点に相手陣内へと攻め込んだが、均衡を崩せないまま前半を終えた。前半を無得点で終えた原因について、関は分析する。「自分が間に落ちて、そこから攻撃のスイッチを入れることが多かった。サイドからクロスを上げていたのですが、ボールの質と中への入り方が課題でした」。 代名詞となりつつある高い位置からの守備を封じられ、松本国際の選手自身も物足りなさを感じていたのは事実。ハーフタイムに勝沢監督が「物足りなくない?」と問いかけると、選手から「物足りない」と返ってきたという。「行っても蹴られるなら、プレスバックをとにかく一生懸命頑張って、体力を使えば良い」。そう送り出された松本国際は後半に入ってから運動量とサイドからの仕掛けを増やしたことで、チームとしての活力が出てくる。 対する上越も「後半からはFWも代わったので、裏に蹴ってフレッシュな選手にプレーさせようと考えていました」と話す主将のMF7松澤煌成(3年)やMF14小林優大(2年)など中盤の選手が前向きでボールを持つ回数が増加。後半5分には右クロスのこぼれ球を小林が狙うなど得点への期待が高まっていく。試合が動いたのは15分。右CKのこぼれ球をPA右で拾ったMF6松林大翔(3年)が倒され、PKを獲得すると自らが決めて上越が先制した。 追いかける展開を強いられた松本国際も黙ってはいない。直後の17分に中央を仕掛けた関が倒され、FKを獲得。直接狙ったシュートが相手GKのファンブルを誘発し、試合を振り出しに戻した。36分には自陣から素早くFW9吉村大樹(2年)に展開。右サイドに落として、FW19下野善生(3年)が前に出たGKの隙を付いたが、シュートは枠の外。このまま試合は動かず、1-1の引き分けとなった。 松本国際としては思い通りに試合が運べない中でも引き分けに持ち込めたことに価値がある。「選手が凄く悔しいと思うけど、落とさなくて良かった」と口にするのは勝沢監督。関は「インターハイまでに前から走って、プレスをかけて、プレッシャーを与える自分たちのサッカーを積み上げていきたい」と続ける。対する上越はプリンス北信越2部に初参戦。全てのチームが格上と言える中、しぶとく勝点を積みあげているのは大きい。「コンディション不良が何人かいる中でのゲームでも粘り強く勝点1をよく取ってくれました」(藤川監督)。両チーム、課題と収穫を生かしながら、インターハイによる中断までの残り2節に挑む。 (文・写真=森田将義)