『打てば勝つけれど、打てなければ負ける!』大味野球。三浦大輔監督は伝統的DeNA野球のDNAを組み替えよ!【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
素晴らしいタレントを輩出してもリーグ優勝できずに終わる不可解
個々の選手の能力は決して低くない。三浦監督にはDeNAのチーム力を最大限に引き出す手腕を期待したい
今季のDeNAはAクラスの3位でシーズンを終えている。しかし、本当ならその程度の成績で満足しているようなチームではないと思うけれどね。その理由は、首位打者と最多勝利投手のほかにも、好選手をたくさん輩出しているからだよ。 今季は自己最高打率となる.326をマークして、2度目の首位打者に輝いた宮崎敏郎と、16勝(3敗)を挙げて初の最多勝利、勝率第一位を獲得したサウスポーの東克樹は、DeNAを代表するスター選手だ。 東は俺が選考委員長を務める沢村賞の選考委員会で、オリックスの山本由伸と同賞獲得を最後まで激しく争っている。選考委員の中には「山本と東の2人をダブル受賞させよう!」という声もあった。だが、「その年のナンバーワンを選ぶべきだ!」と主張する俺の意向によって、山本の3年連続受賞が決まったという経緯がある。 沢村賞を争い、惜しくも落選した東は2つのタイトルのほかに自身初のゴールデン・グラブ賞にも輝いている。今季は度重なる故障に泣かされた宮崎も、三塁手部門で5年ぶり2度目のゴールデン・グラブ賞を獲得。さらにDeNAからは桑原将志が外野手部門で6年ぶり2度目のゴールデン・グラブ賞に輝いている。 同一チームから3人選出は、DeNAの前身となる横浜が日本一に輝いた1998年の5人選出以来、25年ぶりの快挙だというからね。やはり、「DeNAは見どころのある素晴らしいチームだ!」ということを証明してくれている。 投手陣に関しては「投手王国」の阪神に引けをとらないタレントが顔をそろえている。 今季もエースとして期待されたサウスポーの今永昇太は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の疲労が残っていたのか、開幕から約1カ月近く遅れて一軍マウンドへ上がった。勝ち星は東の半分以下のわずか7勝(4敗)に終ったが、リーグ最多の174奪三振を記録している。今季開幕直前に来日したMLBのサイ・ヤング賞投手であるトレバー・バウアーは、故障に泣かされ続けたけれど、2ケタ勝利(10勝4敗)を挙げているからね。 中継ぎと抑えには今季33ホールド2セーブを挙げている伊勢大夢、同じく・・・
本文:2,847文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
週刊ベースボール