「ザ・グローリー」「涙の女王」パク・ソンフン、普段は温厚で涙もろい!?サイコな悪役の誕生秘話が明らかに
韓国、日本、そして世界中で人気を得た「涙の女王」「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」で印象的な悪役を演じたパク・ソンフンが、9月15日に来日ファンミーティングを開催。 Kstyleではイベント前日にインタビューを行い、悪役演技、プライベート、そして世界中が注目するあの次回作にまつわるエピソードなど、たっぷりと話を聞いた。 日本はどんな印象?「僕にとって美食の国」 ――明日は、いよいよ日本のファンの方たちとのファンミーティングですね。今のお気持ちはいかがですか? パク・ソンフン:以前からファンクラブを通じて、「いつか日本のファンのみなさんに会いに行きたいです」とメッセージを送っていました。それがついに現実になったので、とても嬉しいです。今は、すごくドキドキしています。 ――日本はいかがですか? パク・ソンフン:いいですね~。美味しいものをたくさん食べています(笑)。 ――もともと、日本にはどんな印象をお持ちでしたか? パク・ソンフン:僕にとって日本は、美食の国。美味しいものがたくさんある国です。これまでも何度か来たことがあって、いつも日本食を楽しんでいます。 ――どのような料理がお好きですか? パク・ソンフン:麺類ですね。そば、うどん、ラーメン。先ほど、お昼ご飯にそばを食べました。ラーメンも食べなくちゃ。 ――ラーメンは何味がお好みですか? パク・ソンフン:とんこつですね。塩味も好きです。あと、日本にすごく辛いラーメンがあると知ったので、今回、挑戦してみたいんです。「ナカモト」という。 ――蒙古タンメン中本ですね! パク・ソンフン:ああ、そうです! 日本にいる間に、絶対に食べてみたいです。 ――食べた感想もお聞きしたいです。 パク・ソンフン:食べたら、Instagramに投稿しますね(笑)。 「サイコな悪役」誕生秘話も普段は怒らない性格 ――では、ここから、作品についてお聞きしていきますね。まずパク・ソンフンさんといえば「涙の女王」でのサイコな悪役、ユン・ウンソン役が大きな話題を呼びました。出演に至った経緯を教えてください。 パク・ソンフン:オファーをいただいたのが「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」の配信が始まってすぐの頃でした。チョン・ジェジュンという不良キャラを、監督さんと脚本家さんがご覧になったのかもしれません。何より、パク・ジウン作家という信頼のおける先生の作品ですので、お断りする理由なんてありませんでした。台本も面白かったですし、悪役ポジションではありますが、ヘイン(キム・ジウン扮)への愛、たったひとりの女性に向ける真剣な愛にも魅力を感じました。 ――確かにヘインに対する愛情はすごかったです。こういったサイコパスな悪役を演じるときは、どのようにアプローチして役作りするのでしょうか? パク・ソンフン:誰の心にも、怒り、恨みや憎しみといったネガティブな感情は存在するじゃないですか。でも社会で生きていくのに、そういった感情を表に出す機会は、めったにないですよね。僕も普段は怒らない性格です。しかし、心の中にある、ずっとため込んできた小さな塊それらを集めて、集めて、膨らませて、感情移入して役作りをしているのかなと思います。悪役を通じた体験で、僕自身もスカッとしたり、満たされりしているんです。 ――目つき、表情からして悪役! といった雰囲気を出そうと思うと、それなりの準備が必要なのではないでしょうか。どのように練習しましたか? パク・ソンフン:僕の場合は、スマートフォンで自撮りして何度も練習するタイプです。撮っては修正して、モニタリングをしてを繰り返すんです。最初に台本を読むときに、演じるシーンが鮮明に思い浮んでくるので、そのときに感じ取ったイメージを大事に、それをベースにして、目つき、話し方、歩き方、ジェスチャー、それからスタイリングなども作り込んでいきます。 ――「ザ・グローリー」のチョン・ジェジュン、「涙の女王」のユン・ウンソン。同じ悪役でも、雰囲気はまったく違っていました。 パク・ソンフン:ジェジュンの場合は、怒ったときでも、後に引かない単純な怒りだけを表現したかったので、台詞のアクセントを後方部分につけていました。ウンソンの場合は、サイコな雰囲気がでるように全体の力を抜いて、台詞の前の方にアクセントをつけるようにしていました。それで少しトーンが違って見えたのだと思います。 ――2作とも最終回では壮絶な最後を迎えますが。ご自身がそういった場面を演じるとなると、不安に感じるものですか? どのような気持ちで台本を読まれたのでしょうか。 パク・ソンフン:僕自身も視聴者の立場で台本を読んでいたので、ページをめくりながら、「えぇ、こうなるの? うわ~」とか、ドキドキしたり驚いたりしていました(笑)。じゃあ、これをどう演じるべきかと考えることもありますが、それまでの話数のなかで、すでに演じている人物じゃないですか。積み重ねてきたものがあるので、特に不安に感じたりはしないです。自然にまかせて感情移入して演じればいいと思っていました。 ――ウンソンのラストは、寒そうな雪山で撮影されていましたね。 パク・ソンフン:あのシーンは、監督さんが雪がたくさん降り積もる、白銀の光景をイメージされていたんです。江原(カンウォン)道の旌善(チョンソン)まで行って撮影してきました。 ――かなり感情のこもった印象的な場面でした。 パク・ソンフン:感情のレイヤーがいくつも重なっていて、難しいシーンだったと思います。時間をかけて準備して臨んだので、フルショットもバストアップも、すべて一発OKで撮りました。 ――それはすごいですね。涙を流す顔も印象的でしたが、泣く演技は得意なほうですか? パク・ソンフン:そうですね、普段からよく泣くほうです。雨を見るだけでも涙が出てきます(笑)。 笑いが止まらずNGも!?「涙の女王」メンバーとの親交 ――悪役は、視聴者から悪口を言われることが最高の誉め言葉と言いますが。ウンソン役に対して、何か言われたことはありますか? パク・ソンフン:ええ、たくさん憎まれました(笑)。「お願だから、これ以上、ヘインに関わらないで」「ヘインの前から消えろ!」とか、いろんな書き込みがありました。InstagramのDMから悪口を送ってくる方もいらっしゃいましたよ。 ――どのような気持ちになりますか? パク・ソンフン:視聴者さんがそれだけドラマに夢中になっている証なので、気分を悪くすることは、まったくありません! 楽しんで読ませてもらいました。 ――メイキング映像を観たのですが、撮影現場は笑いが絶えないようでしたね。 パク・ソンフン:もう、本当に楽しい現場だったんです。キム・スヒョンさんも、それからスチョル役を演じたクァク・ドンヨンさんも、明るくて、すぐ笑いをとろうとする方たちなので、特に3人が揃うと、ふざけすぎて演技ができなくなってしまいます。笑いが止まらず、NGを出すくらいでした(笑)。 ――キム・スヒョンさんとは、ドラマであんなに神経戦を繰り広げていたのに! パク・ソンフン:もちろん、本当にシリアスな場面や、激しく感情をぶつけ合うようなときは自制します。ちょっと軽めの、ライトなシーンのときはつい、ふざけてばかりでした(笑)。 ――「ザ・グローリー」は、どういった経緯で出演されたのでしょうか? パク・ソンフン:脚本家のキム・ウンスク先生が、以前に僕が出演した「たった一人の私の味方」というドラマをご覧になったそうです。それで「あんなに善良そうな顔をした俳優に、悪役をやらせてみたら面白いんじゃないか」と、声をかけてくださいました。作品ごとに善と悪を行ったり来たりできるのは、俳優にとってやりがいに繋がる、幸せなことだと思います。 ――悪役でパク・ソンフンさんを知った方に、素のご自身といちばん近い役を紹介するなら? パク・ソンフン:2018年にKBSで放送された、1時間の短編ドラマで「私の黒歴史~間違いノート」という作品があるのですが、そこで演じた主人公のピルスン役が近い気がします。普段は落ち着いているけれど、ふざけたりするようなところです。 ――これまでの作品で、特に愛着を感じている役柄はありますか? パク・ソンフン:どれか一つ挙げるなら「ザ・グローリー」のチョン・ジェジュン役だと思います。この作品に出演できたことで、外で僕に気がついてくれた方々が、「チョン・ジェジュンだ!」と役名で呼んでくれるようになったからです。これまで以上に多くの方に認知してもらうきっかけになったので、愛着を感じずにはいられません。監督、スタッフさん、撮影チームのみんなの雰囲気もとてもよくて、楽しみながら撮影できた作品です。 「イカゲーム2」出演オファーに驚き!自分だけのジンクスとは ――では、少しプライベートなこともお聞きしたいのですが、最近、何かハマっていることはありますか? パク・ソンフン:有名な旅行ユーチューバーのチャンネルで、旅映像を見ています。旅行に行きたくても、忙しくて時間が取れないので、映像で疑似体験をして計画を練っているところです。 ――少し前に、焚き火映像にハマっていたという話をお聞きしました。 パク・ソンフン:そのときは、同時に2作品を並行して撮影していたんです。大変な時期だったので、寝る前にリラックスしようと思ってYouTubeで焚き火映像を見ていました。今は、旅映像ばかりです(笑)。 ――行ってみたいところはありますか? パク・ソンフン:実は高校時代に外国語学校に通っていて、フランス語を専攻していたんですね。みんなそれぞれにドイツや中国などと、自分が専攻する国に修学旅行に行くのですが、僕は当時、家の事情でフランスに行くことができなかったんです。いまだ行ったことがないのですが、ついに10月、仕事でパリに行けることになりました。Kカルチャーのイベントが開催されるそうで、メンターとして招待いただきました。楽しみにしています。 ――そういえば、韓国で出演されたトーク番組で、「願いごとをメモしたり、口にすると必ず叶う」とおっしゃっていましたが、最近、叶ったことはありますか? パク・ソンフン:そうですね。「広告モデルの仕事をしたい」と書いていたことが最近叶って、撮影をしました。 ――わあ、本当に叶うんですね! パク・ソンフン:そうなんです。遠い夢ではなく、すぐ目の前にある現実的な願い事を書くようにしています。以前、釜山国際映画祭に遊びに行った時、とても楽しかったので「次は仕事で来る」と誓ったら、本当にその通りになりました。それで、一緒に参加した監督さんや俳優たちと、「よし、こうなったらみんな、デタラメでもいいから、ひとつずつ願いごとを言ってみよう」と。ある友人は、「家賃住まいから抜け出したい」「Netflixの作品に出たい」と言っていました。僕はその時、ちょっと軽い気持ちで「イカゲーム2に出演したい」と言ったんです。 ――おお! 「イカゲーム2」! パク・ソンフン:はい。そしたら。 ――叶っちゃいました! パク・ソンフン:ええ、もう、本当にびっくりしました。制作会社と何の縁故もなかったので。キャスティングのニュースが出たとき、映画祭に行ったメンバーたちがすごく驚いていました。 ――「イカゲーム2」、楽しみにしています。 パク・ソンフン:ありがとうございます。 ――では、次はファッションについて。「涙の女王」で、素敵なスーツ姿を披露されていましたが、普段はどんな服装が好きですか? パク・ソンフン:そうですね、仕事のときは、かっちり決めることが多いので、普段は楽なものを選びます。スポーティーな上下に帽子を被って、サンダルを掃いて。ラフなスタイルが好きです。 ――最後に、今後の目標を教えてください。 パク・ソンフン:今はみなさんにとって悪役のイメージが強いと思うので、ラブコメディに出演してイメージチェンジをしたいというのが、目標のひとつです。映画もやっているので、いつか主演俳優として、ポスターの真ん中に僕の顔が大きく載って、貼り出される日が来くるといいですね。 ――ラブコメディ!きっと、韓国中の脚本家がソンフンさんに演じさせたがっているでしょうね。 パク・ソンフン:実はいくつかご提案をいただいているので、慎重に選んでいるところです。 ――ソンフンさんのコメディ演技も映画主演も、楽しみにしています! パク・ソンフン:カムサハムニダ。 (取材:野田智代 / 撮影:朝岡英輔)
Kstyle編集部