皆んな褒めるBYDドルフィンだけど「重箱の隅を突けば気になる点も皆無ではない」 これがモータージャーナリストの武田公実の本音!!
いいところも気になるところも本音で!
BYDとしてはATTO3に続いて2車種目の日本展開となったドルフィンに試乗した3人のモータージャーナリスト、今尾直樹さん、武田公実さん、九島辰也さんの本音やいかに? 【写真17枚】こんなデザインは見たことない! BYDドルフィンの室内は驚き 詳細画像をチェック ◆「中華の勢い、龍の如し」今尾直樹 愛らしいカタチに、内装もA5サイズのタッチスクリーンと円柱型のギアのスイッチが未来っぽくて、走る前からデザインの先進性を感じさせた。この大型スクリーン、ステアリングのスイッチで横から縦に電動で動く。 イルカの胸ビレを模したというドア・ハンドルのかたちもステキで、元トヨタ・ディーラーのメカニックだった会員の方を相方に、驚きの連続をつぶやきながら試乗した。 まずもって発進した途端、室内に「うぉおおおん」というような人工音が鳴り出し、30km/hに近づくにつれて大きくなった。速度をさらにあげると静かになる。運転手に注意を喚起しているらしい。 西湘バイパスを走行中、電話の呼び出し音みたいな音がどこかで鳴っている……と思ったら、速度違反を教えてくれているのだった。 ウィンカーを出さずに車線変更したら、レーン・キープ・アシストが、ギュウンッと、襟ぐりをつかむような勢いでもとの車線に戻す。かの国ではこれぐらい強力な指導が当たり前なのかもしれない……。 乗り心地は良好。一充電で476kmも走れて、407万円。中華の勢い、龍の如し。 ◆「BYDの元気はホンモノ」武田公実 現時点では自動車やライフスタイル系メディアよりも、経済誌などで見かける機会の多いBYD。でも同時に、世界で最も元気な自動車ブランドの一つであることに疑う余地はあるまい。 昨年試乗の機会を得た「ATTO 3」でも、予想外のできばえに目を瞠ったが、今回乗せていただいた「ドルフィン」は、さらに上をゆく仕上がりだったと太鼓判を押したい。 まだ乗用車の経験は豊富とは言えないのに、たとえば今回乗ったロングレンジ版のマルチリンク式の後脚は、高速でも一般道でも快適さを損なわない足さばきを見せる。 あるいは内外装のつくりの良さも、筆者の意地の悪い予想を遥かに上回るもの。ただ、触れて乗って、あるいは日常的に使用して「元気になる」というよりは、ひたすら感心してしまう段階にある。 レーンキープ・アシストが気まぐれで、しかも強力過ぎる。発進時および停まる寸前に発生する擬似サウンドのON/OFFが唐突であることなど、重箱の隅を突けば気になる点も皆無ではないのだが、それでもBYDの元気はホンモノと実感させてくれたのだ。 ◆「価格設定は戦略的」九島辰也 EV先進国の中国からやってきただけに、想像以上に完成度は高く、ドライバビリティもそれなりに高そうだ。日本はカー・カルチャーが熟成している分、ガソリン・エンジン至上主義者が多くEVに関してフィルターが入ってしまうが、このクルマはそんなことを感じさせない。 コンパクトなボディは思いのほか軽快に走る。これだけで元気になりそうだね。そもそもBYDはバッテリー・メーカーだから、自慢のブレード・バッテリーなど競争力はあるし。某国産メーカーのエンジニアもその出来に驚き、ボクに試乗感想を求めてきたほどだ。う~ん、侮れない。 でもって、次なる元気になるポイントはプライス。363万円からという、BEVにしてはかなりお手頃なタグがつく。“BEV=500万円スタート”みたいなイメージを覆す。さらにいえば、補助金により200万円台に突入するらしい。クルマ価格が高騰している昨今、テンションの上がる話だ。しかも国産車ではなくガイシャである。それにしてもこの価格設定は戦略的。BEVの入門車なんて見方もできちゃうかもしれない。 写真=小林俊樹(メイン)/郡大二郎(サブ) (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
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