穴水の仮設商店街でかきまつり 「雪中ジャンボ」の代替 3月、規模縮小「まいもんの里」灯守る
穴水町観光物産協会は町内外から多くの人が訪れる例年2月開催の「雪中ジャンボかきまつり」(北國新聞社共催)を今年は中止し、3月に代替イベントを実施する方針を決めた。主会場としている広場に公費解体で発生した災害ごみが置かれているためで、規模を縮小し、会場も町中心部に昨年10月に完成した仮設商店街に変更する。今後はかきまつりを町中心部活性化に活用し、「まいもんの里穴水」を発信する。 雪中ジャンボかきまつりは1988年に、当時の町飲食店組合が開催した。コロナ禍で中止されるまで、穴水の冬の風物詩として県外からも観光客を集める一大イベントとなっている。 町観光交流課によると、かきまつりの主会場としてきた町あすなろ広場は、周辺の道路やトイレなどが地震で損壊しており、1万人以上が訪れるイベントの受け皿にはできないと判断した。 3月の代替イベントは、町が昨年12月に取りまとめた復興計画のシンボルプロジェクトの一つ「奥能登の玄関口再生プロジェクト」の一環として、穴水駅や周辺の商店街再生の取り組みに位置付ける。例年は2日間で10万個超のカキを提供しているが、今回は開催を1日のみとし、約5千個を用意する計画だ。 地震の影響で穴水町内では、カキ養殖業者の作業場や桟橋が破損、出荷ができない時期もあったが、県漁協穴水支所によると、地震後の廃業は1件にとどまっている。町の担当者は「イベントの規模は小さくなるが、『まいもんの里穴水』の灯を守っていきたい」と話した。