『ターミネーター2』『タイタニック』『アバター』 キャメロン作品で“強く、たくましい”女性像が描かれ続けるワケ。その裏には、プライベートでは4度の離婚経験が…
『ターミネーター2』はリメイクだった?
前作の15倍の予算をかけた『ターミネーター2』またの名を『T2』(91年)は、続編というより「リメイク」だった。 前作には最後の対決の後、サイバーダイン社の工場で潰されたターミネーターの腕が回収されるショットがあったが完成版で削除された。 『T2』ではその設定が復活し、ターミネーターの腕の研究がスカイネットを生み出すことになる。カイルがジョン・コナーの父親だったのと同じパラドックスだ。 未来からサラを殺しに来る新型ターミネーターT-1000は液体金属製。どんな形にも変形するエフェクトでキャメロンが創設したCGスタジオ「デジタル・ドメイン」の技術を世界に示した。 しかし、デフォルト状態のT-1000を演じるロバート・パトリックはしなやかに痩やせた体格で、「カマキリのような」という『ターミネーター』のオリジナル・コンセプトに忠実なのだ。 シュワルツェネッガー扮する旧式ターミネーターT-800はジョン・コナーにリプログラムされて、サラと少年時代のジョン(エドワード・ファーロング)を守るためにやってくる。 つまり、シュワルツェネッガーはもともと前作で演じる予定だったカイルの役割を果たすことになった。 『T2』のカーチェイスや銃撃戦は何十倍もスケールアップしたが、基本的な話の構造は前作と同じ。 前作で名ゼリフとなった「I’ll be back」も繰り返されるし、タンクローリーの追っかけから工場になだれ込むクライマックスの展開はまったく同じだ。 キャメロンはリンダ・ハミルトンを徹底的に鍛えて、たくましい筋肉でショットガンを振り回す「タフ・チック」に改造した。これはサラのリプリー化であり、リンダ・ハミルトンのキャスリン・ビグロー化だ。 キャメロンは『T2』撮影中にリンダ・ハミルトンと同居を始め、93年には娘が生まれたが、お互い過去の離婚経験から(キャメロン3回、ハミルトン1回)、2人はなかなか籍を入れなかった。