衝撃に弱い「携帯用扇風機」もし落下させてしまったら? 火災、発火など「製品事故」防ぐ“チェックポイント”
「極端に安い」「日本語が怪しい」要注意
また、これから携帯用扇風機の購入を考えているという人に向け、宮川氏は「携帯用扇風機に限らずリチウムイオン電池が使用されている製品では、極端に価格が安いものは、その分品質が劣ることが考えられますので注意してください」と呼びかける。 「ネットで購入する際は、外国の事業者が販売しているであろう『日本語がちょっと怪しい商品説明』にも注意していただきたいです。インターネットを通じて外国の事業者から購入するというのは『直接輸入(個人輸入)』に当たり、安全性は自己責任です。いざトラブルが起きた際も、連絡先が書かれていなかったとか、連絡したら日本語が通じなかったといった話も聞きますので、安心できる事業者から買うことを心がけてください」 なお、電気用品安全法に適合している製品に表示される「PSEマーク」については、安全性が高いという“アピール”に使われている側面があると宮川氏は指摘する。 「ネットを見ていると、PSEマークが付いているので、他の製品と比べても安全性が高いといった表現をしている商品説明等がありますが、そもそもPSEマークは『電気用品安全法を遵守しました』と製造事業者又は輸入事業者が自らつけるマークです。 電気用品安全法の対象となっている製品の場合は、PSEマークを付けて販売しなければ違法になります。付けているから安全というわけではなく、安全確認を行った結果の義務的な表示です。 ちなみに、リチウムイオン電池でもエネルギー密度によっては電気用品安全法の対象外になるものもありますし、正しい表示がされておらずに法を遵守しているか疑わしいものもあります。PSEマークの有無“だけ”でその製品の安全性を計ることは難しいと言えます」(宮川氏)
ごみ収集車や処理場火災の原因にも
先に述べたように、リチウムイオン電池は携帯用扇風機だけでなく、スマートフォンをはじめ私たちの身近な製品に多く使用されている。そのいずれも「衝撃」や「熱」に弱いという意識を持って取り扱うことが、自分の身を守るためにも大切だ。 また、リチウムイオン電池を使用した製品の処理については、通常のごみと同様に捨てることは絶対に避けるべきだろう。通常のごみとして捨てられた結果、ごみ収集車や処理場が火災になるケースが全国で頻発しているという。 「リチウムイオン電池を捨てる際は、かならず、家電量販店の収集ボックスを利用するか(※実施していない店舗もあるため要確認)、お住まいの自治体のルールに従うようにしてください」(宮川氏)
弁護士JP編集部