J2藤枝 MF平尾拳士朗が無尽蔵のスタミナで5連勝に導く…19日・アウェー山口戦
J2藤枝MYFCが「終盤での強さ」を発揮して5連勝を狙う。19日にアウェーで山口戦を控えるチームは16日、藤枝市内で練習。注目は無尽蔵のスタミナを誇るMF平尾拳士朗(23)だ。攻守両面でチームを支え続ける藤枝東高出身のボランチは、「1試合に懸ける思いは強いです」と必勝を誓っている。 藤枝が乗っている。4月27日の水戸戦から、4戦連続で1点差の勝利。しかもほとんどの決勝点を、後半40分過ぎに奪っている。積み重ねてきた練習で強度が上がり、相手が疲れて足が止まった時間帯に、運動量で上回れるようになった。「75分を過ぎて0―0、0―1ならOKと思っている。慌てて攻めることがなくなった。それだけ選手が自信を持っている」と須藤大輔監督(47)は快進撃の舞台裏を明かした。 水戸戦から先発を務める平尾の存在も大きい。藤枝東高や中大では攻撃的なポジションだったが、藤枝入りした昨年からボランチに挑戦。「課題だった」という守備力が強化され、中盤でセカンドボール回収に駆け回っている。 小学生時代から「マラソン大会で、ずっと1位だった」というスタミナも大きな武器。監督は「90分を過ぎても平気な顔で走っている」と褒める。サッカーを始めた小1時から、「きつくても顔に出さない。弱みを見せないことを意識していました」と振り返った。 攻撃でも貢献。6日の栃木戦では、中盤でボールを奪うとドリブルでゴールへ一直線。FWアンデルソンにラストパスを送って決定機をつくった。この日のミニゲームでも、右サイドを駆け上がったDF鈴木へ絶妙のスルーパスを放った。 まさに4連勝のキーマンだが、「負けたら先発を外される」という危機感もあると言う。それだけに「1試合に懸ける思いは強いです」と山口戦を見据える。もちろん狙うのは、J2ではクラブ初となる5連勝。「リーグの折り返しとなる(6月8日の)清水戦まで勝ち続けたい」と反転攻勢を宣言した。(里見 祐司) ◆藤枝の劇的4連勝メモ 4月27日の敵地・水戸戦(3〇2)は今季初出場のFWアンデルソンが後半42分、この試合2点目となる決勝ゴール。続く5月3日のホーム群馬戦(2〇1)は、後半アディショナルタイム(AT)の53分にFW矢村とアンデルソンが“ツインシュート”で決勝点。公式記録は矢村の得点となった。同12日のホーム秋田戦(1〇0)は後半AT46分にFW中川風が得点。土壇場の決勝点が続いている。 〇…DF川島将(32)が特注のフェースガードを着用して、今週から実戦練習に合流している。開幕から3バックの中央を務めてきたが、先月20日の徳島戦で右上顎骨と頬骨を骨折し、全治4週間と診断されていた。まだ「右側で食べ物をかむことができない」と言うが、ピッチ上では大声で指示を送るなど元気いっぱい。来月には激しいメンバー争いに復帰できそうだ。
報知新聞社