『デュープリズム』発売25周年。ひとつの世界に、ふたつのファンタジー。ルウとミント、ふたりの主人公が冒険をくり広げる3Dアクション【今日は何の日?】
いまなお愛されるスクウェアの3Dアクション 1999年(平成11年)10月14日は、プレイステーション(PS)用ソフト『デュープリズム』が、スクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売された日。本日で発売から25周年の節目を迎えました。 【記事の画像(8枚)を見る】 本作は、スクウェアが『アインハンダー』や『ゼノギアス』などといった挑戦的な作品を発表していたときに発売された1本。純粋な少年ルウとワガママすぎるため妹に王女の座を奪われた少女ミントが、それぞれの願いのために“遺産”を求めて冒険へと出るストーリーが描かれます。ルウとミントで大筋の展開は変わらないものの、性格や目的は異なるので冒険に飽きることがありません。 なお、片方の主人公をクリアーすると、もうひとりの主人公を選ぶことができ、ふたりの主人公をクリアーすることで真のエンディングを見ることができる仕組みでした。 ルウ編 ミント編 ルウ編は共同生活を営んでいた女性クレアが謎の男に殺されてしまうという衝撃的な幕開けで、クレアを蘇らせるために遺産を求めて冒険に出るストーリー。一方のミント編はわがままで自分勝手なミントが妹のマヤに王女の座を奪われ、怒り狂ってマヤに襲い掛かるも、遺産“ブック・オブ・コスモス”を操る妹には歯が立たず、自身も遺産を手に入れるために国を飛び出すというストーリーです。 ルウ編では王道の感動ストーリーが展開する一方、ミント編は彼女が世界征服の願いを叶えるために冒険をくり広げる内容なので、それぞれ異なる魅力があります。筆者は、ハチャメチャな展開でありながらしっかり感動もさせてくれるミント編が好きでした。ちなみにミントは自分勝手で破天荒な性格ですが、本当に困っている人は放っておけなかったりして、しっかりと感情移入できるキャラクターです。 ルウ編 ミント編 サブキャラクターも骨董品屋を営むクラウスや、彼の妻でかつては名の知れた剣豪だったミラ、遺産を狙うトレジャーハンターのベル、ベルのことをアネさんと呼んで慕うデュークなど、個性的な人物が揃っていました。ゲームのボリューム自体はそこまで多くはないですが、濃密な体験ができます。 また、ルウとミントではアクションも異なり、ルウは一撃が強力な巨大な斧を使い、ミントはリング状の武器や魔法、得意な飛び蹴りで戦うことに。ミントの飛び蹴りはめちゃくちゃ優秀で、魔法を使わずに飛び蹴りばかりしていたユーザーは多いのではないかと思います。 ルウ編 ミント編 キャラクターの成長システムは少し特殊で、ダメージを受けるとHPの上限が上がり、技を使うほどMPの上限が増えるという仕組み。ふだんからアクションゲームをプレイしている人はキャラクターがあまり成長していない状態で後半のダンジョンに挑まないといけないので苦労したのではないでしょうか。ただ、ショップで装備品を買ってステータスを強化できたり、コインを使ってリトライをすることができる安心設計。個人的には、序盤で訪れる“メルのアトリエ”という2Dアクションのミニゲームが難しかった……。 『デュープリズム』はゲームアーカイブス(PS Vita、PS3)で配信されています。昔のゲームなのでアクション部分で操作しづらいところもありますが、独特な世界観やキャラクター、幻想的な音楽は唯一無二なのでぜひプレイしてみてほしいところ。本作はほかのスクウェア・エニックスのタイトルに比べてマルチメディア化やグッズ化などが少ないので、25周年を機会にまた盛り上がって企画が始動してくれるとうれしいですね。