軍事的意味はない? でも意義がある米海兵隊の沖縄駐留
県外移設にこだわるならば
翁長知事が、海兵隊を、こうした意義を持つ部隊であることを承知しているかどうかは分かりません。 ですが、もし認識されているのだとしたら、海兵隊を沖縄から追い出すためには、アメリカの民主党支持者に多い台湾放棄論を盛り上げるように運動するべきです。アメリカが、台湾への肩入れを止めるならば、沖縄に海兵隊を置いておく必要はありません。国外への兵の駐留は、アメリカにとっても負担ですから、当然に撤退することになるででしょう。 ただし、その結果、台湾が中国に取り込まれた後、沖縄がどうすべきかも考えておく必要があります。その時は、沖縄が最前線ですが、アメリカが人質を置いてくれるかどうかは分かりません。台湾放棄論が出るのですから、日本政府がどう考えたところで、アメリカで沖縄放棄論が出ることも考慮しておくべきです。 (数多久遠 /作家・元航空自衛官)
■数多久遠(あまた・くおん) ミリタリー小説作家、ブロガー。元航空自衛隊幹部。自衛官として勤務中は、ミサイル防衛や作戦計画の策定に携わる。その頃から小説を書き始め、退官後に執筆した『黎明の笛』セルフパブリッシングで話題になったことから、作家としてデビュー。一方、ブロガーとしても活躍し、ミサイル防衛、防衛関係法規、防衛力整備など、防衛問題全般で鋭い解説記事を書いている。著書に、『黎明の笛』(祥伝社)がある