プロ野球のドラフト（新人選手選択）会議が24日に開催される。高校生の候補を紹介する。 【写真】打線の中軸も担う柴田獅子

柴田獅子（しばた・れお）投手　18（福岡・福岡大大濠高）右投げ左打ち

投打の二刀流でチームを引っ張った福岡大大濠高の柴田獅子

　プロになっても、理想とするのは「エースで4番」だ。「大谷翔平選手のようになりたい」。投げては最速149キロ、打っては高校通算19本塁打で投打の中心選手として活躍した二刀流には、明確な目標がいる。

　真骨頂を発揮したのは、今夏の福岡大会準々決勝の飯塚戦。4番・一塁で先発し、二回途中からマウンドに上がった。切れのある直球を武器に5回1／3を1安打無失点に抑え、打席では四回に右越えソロ。決勝で西日本短大付に敗れて甲子園出場の夢はかなわなかったが、スケールの大きさでスカウトをうならせた。

　八木啓伸監督は2020年にオリックスからドラフト1位指名されたOBの山下舜平大と比較して、その才能に太鼓判を押す。「柴田の方が完成度は高い。器用さもあり、評価されているなら投打の両方に挑戦してほしい」と期待する。

　1メートル87、86キロの恵まれた体格だが、入学時から飛び抜けた存在だったわけではない。1年の時に球速は139キロを記録したものの、そこから2年秋までは自己最速を更新できず、打線の中軸を担うこともなかった。

　「プロ野球選手になるために基礎から見直そう」と決め、手足にゴムを付けて投球動作を繰り返し、無駄のないフォームに矯正。打撃では米大リーグの打者を参考にアッパースイング気味に変え、低反発バット導入後に9本塁打を放ったという。体作りでも栄養に関する書籍を読み込み、サプリメントを摂取しながら体調を管理したことで、球速も長打力も一気に伸びた。

　現在はフォークボールの習得に取り組むなどしながら、運命の日を待つ。「一から鍛え直したことが投打の自信につながっている。ドラフト会議は楽しみの方が大きい」。プロ、そして二刀流への挑戦に恐れはない。（古島弘章）

粒ぞろいの高校生

　U―18（18歳以下）日本代表を中心に高校生も粒ぞろいだ。投手では、昨春と今春の選抜大会で準優勝した報徳学園（兵庫）のエース右腕・今朝丸裕喜、1メートル98の長身左腕・藤田琉生（神奈川・東海大相模）が上位候補。野手ではU―18日本代表で4番を務めた石塚裕惺（埼玉・花咲徳栄）のほか、モイセエフ・ニキータ（愛知・豊川）の長打力が光る。捕手では箱山遥人（群馬・健大高崎）の評価が高い。