存続危機の性暴力救済センター「大阪サチコ」 吉村知事、府主体事業への切り替え検討
性暴力被害者のワンストップ支援センター「性暴力救援センター・大阪SACHICO(サチコ)」(大阪府松原市)の存続が危ぶまれている問題で、吉村洋文大阪府知事は16日、事業継続に向けて府の関与のあり方を見直す考えを示した。従来の補助金交付から、府主体の事業として費用を負担する委託方式への切り替えを検討する。 吉村氏は府庁で記者団に「府としても責任を持って進めていく必要がある」と強調した。 サチコは阪南中央病院内に拠点を置き、24時間体制で性暴力被害の相談・支援を行ってきたが、病院側の負担が重く来年3月末での退去を求められている。 府は令和6年度にサチコの事業に2千万円の補助金を交付。委託方式では、ワンストップ支援センターを府主体の事業とし、運営をサチコ側が担う。 府はサチコの移転先を確保し、病院内に拠点を置かない「連携型」での運営を提案。有識者を交えた検討会議を立ち上げ、サチコの機能強化について議論する。 支援団体は「病院拠点型」での存続を求め、府議会に請願を出していたが、16日の府議会本会議では病院への負担集中を懸念し不採択となった。