【漫画】「学校行くのやめよう!」不登校児の親が決心した理由【親子の体験日記③】
子どもが不登校になると、親も学校も「なんとか解決しなくては」と必死になりがちです。しかし、その必死さが、さらに子どもの心を追い詰めることも……。 漫画家のおがたちえさんが、不登校サバイバー親子を取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。
ある日、ミクさんを学校へ送ると、保健室の前で先生が待っていました。先生は車から降りられないミクさんを説得しようとしますが……
先生の対応が、逆にミクさんを追い詰めてしまう結果に。この出来事が、登校をあきらめるきっかけとなりました。
この時を振り返って……
学校に協力は得られないんだと踏ん切りが付き、ようやく「学校に行かなくていいよ」という言葉が出せた瞬間でした。 ミクが初めて号泣したのを見て、ずっと緊張状態で頑張っていたのだと分かりました。もっと早く「行かなくていいよ」と言ってあげればよかったと今でも思います。(かめママ) ずっと学校に行けない自分を責めていたので、「もう学校行くのやめよう」って母が言ってくて、ほっとしたのを覚えています。(ミク)
橋本先生からのメッセージ
残念ですが、学校の先生など専門家だからといっていつも正しい対応をして、一人一人の特徴をしっかりわかったうえでの対応をしてくれるわけではありません(もちろん頼りになる学校関係者の方、医療関係者の方々がたくさんいることも確かですが)。 学校に行けるようになるというのは多くの選択肢の中のたった一つのはずですが、どうしてもそれが唯一の回答というふうに思えてしまいます。 ミクさんは本来なら安心できる場所である学校でとても辛い経験をしました。 でも、そこでしっかり泣くことができて自分の感情をかめママさんに伝えられたことはとても偉かったですね。 (臨床心理士・橋本紋加)
■おがたちえ Webサイトにて漫画連載をもち、キャラクターデザインなども手がける。共書に、 『繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家~』(ぶんか社)など多数。 ■橋本紋加 臨床心理士・公認心理師。 心療内科クリニックにてビジネスパーソンの不眠や職場不適応、不登校の子どもたちやその家族の悩みについてカウンセリングや生活習慣のアドバイスを実施。 2023年にクリニック退職後はフリーランスで活動中。
おがたちえ(漫画家),橋本紋加(臨床心理士・公認心理師)