市川團十郎、襲名披露を終えて先祖代々の墓前に報告「ここからがスタート。批判に臆することなく、進められる自分でありたい」
歌舞伎俳優の市川團十郎が10日、都内の霊園にある先祖代々の墓前で2022年10月31日の歌舞伎座から先月26日の大阪松竹座まで2年間にわたる襲名披露公演を無事に終えたことを報告した。 神妙な表情で墓前に手を合わせ「無事に襲名披露を終えることができましたので、感謝を伝えました。心の支えは父(12代目團十郎)でした。父は38歳で團十郎を襲名しているので、大変だったと思います」と思いを巡らせた。2017年に他界した妻の小林麻央さんに対しても「ずっと家族を見守ってくれている。つながっている感じがします」と語った。 2年間では、特に歌舞伎座で行った22年10月31日の特別公演と同年11、12月の公演が印象深いという。「手打ち式を行って、『勧進帳』では松嶋屋のおじさん(片岡仁左衛門)に富樫、大和屋のおじさん(坂東玉三郎)に義経をしていただいた。11月の『勧進帳』には(松本)幸四郎さん、(市川)猿之助さんに出ていただいた」と感謝。長男の市川新之助は史上最年少で「外郎売」「毛抜」の主役を演じ、長女の市川ぼたんは「團十郎娘」に出演した。 達成感を感じながらも、すでに気持ちを切り替えている。「ここからがスタート。何かを改革することで批判を受けてしまう。それに臆することなく、ちゃんと進められる自分でありたい。13代目としてのイメージはできました」。代々の團十郎には「現場は私に任せてください」と語りかけた。 来年1月には「双仮名手本三升(ならべがきまねてみます) 裏表忠臣蔵」(東京・新橋演舞場)で初役の大星由良之助のほか、早野勘平、斧定九郎、高師直の4役を早替わりで勤め、宙乗りなど華やかな演出も加えて上演する。「しっかり学んで、周りと相談しながらやっていきたい」と意気込んでいる。
報知新聞社