水上でも飲んだら乗るな 琵琶湖で改正条例が来月施行
【しがnote】 水上レジャーが本格化する季節を前に、琵琶湖付近での酒気帯び操船の禁止などを盛り込んだ改正滋賀県琵琶湖等水上安全条例が7月1日、施行される。背景には相次ぐ飲酒事故がある。滋賀県警は利用者に改正条例を周知するとともに、貸船事業者やマリーナに対しても船舶などの貸し出しの禁止など協力を求めている。「飲んだら運転(操船)しない」。路上だけでなく、水上でも当たり前だ。 【写真】事故で損傷した水上バイク ■操船者の飲酒事故7件 県警によると、昨年の琵琶湖を含む県内全域での船舶事故は、前年より16件増の64件で、死者が3人(前年0人)、負傷者が27人(同26人)だった。 8月には、大津市北比良の琵琶湖で、水上バイクがいずれも当時小学1年の男児(6)と女児(6)に衝突。2人が頭にけがをする事件があった。県警は運転していた30代の男を船舶職員及び小型船舶操縦者法違反(無免許操船)で逮捕している。 この事件を含む64件のうち、7件で操船者の飲酒が発覚した。ただ、現行の県琵琶湖等水上安全条例は、酒気帯び運転についての罰則規定がなく、いずれも飲酒による立件はされなかった。 こうした事情を受け、7月1日から施行される改正条例は、動力船に限り新たに「酒気を帯びた状態での操船の禁止」とする項目を追加。3カ月以下の懲役または30万円以下の罰金を設けた。 ■酒気帯び罰則4例目 また、酒酔い操船(全船舶が対象)については、3カ月以下の懲役または50万円以下の罰金に罰則を強化した。さらに、アルコール検査を拒否または妨げた場合にも、20万円以下の罰金とする条文を加えた。 条例で酒気帯び操船について罰則を設けるのは、茨城、東京、兵庫に次いで4例目という。 県警は琵琶湖で遊泳する機会の多い近畿2府4県の船舶免許講習会場や琵琶湖にあるマリーナなどで、改正条例の概要をまとめたリーフレットを配布するなどし、啓発活動を進めている。 県警は、「飲んだら乗らないは当たり前のことだ。ルールを守って琵琶湖でのレジャーを楽しんでほしい」と話している。