「全国公立大現役占有率ランク」西日本編 1位・富山東、2位・甲南ともに8割超 団体戦の雰囲気作れた高校が高くなる傾向
【新・親も知らない今どき入試】 国公立大に現役合格する生徒の割合が高い学校を集計した「全国公立大現役占有率ランク」について、前回の東日本編に続き西日本編を紹介しよう。国公立大人気は全国的に根強いが、特に西日本はその傾向が強い。全国公立大現役占有率ランクは西高東低で、現役占有率が70%を超える学校数は東日本の11校に対し、西日本は19校と2倍近い。 この状況について予備校関係者は、「東日本では、私立大が充実している1都3県の国公立大志向がやや弱いのに対し、西日本は中部や近畿圏といった大都市部も含めて国公立大志向が強いことが一因」と話す。 ランキングを俯瞰して気付くのは、北海道と東北の2地域の学校が多くを占めた東日本に対し、西日本は、北陸、近畿、中四国、九州と、幅広いエリアの学校が名を連ねていること。各地域のトップ校に次ぐ学校が多くランクインしているのは、東日本と同様の傾向だ。 「地方には難易度幅がある国公立大が数多くあり、その多くが大学入学共通テストのウエートが高い。共通テストを受けていれば、持ち点なりの進学先を探せるので、共通テスト対策に力を入れて生徒を伸ばしている学校がランクインしている」(予備校関係者) もちろん、5教科7科目をしっかり学び、共通テストで結果を残すのは大変なこと。脱落者を出さないために、団体戦の雰囲気を作れた高校の現役占有率が高くなる傾向にあるようだ。 それではランキングを見ていこう。1位の富山東は231人の卒業生のうち、85・3%が国公立大に現役合格している。富山大の合格者61人は、同大の高校別合格者数ランキング1位で、富山県のトップ校である富山中部や高岡を大きく上回る。ちなみに、富山中部は占有率65・8%で37位、高岡は63・3%で50位。 「東大や京大などの難関大を目指す生徒が多いことから、各府県のトップ公立校の現役合格率が低くなるのはいたしかたない」(塾関係者) ランキングに戻ろう、2位の甲南の占有率も80%を超えている。合格者数最多の鹿児島大105人以外に、熊本大22人、九州大17人、神戸大6人、大阪大5人、京大1人、名古屋大3人など、九州・山陽・東海道の各新幹線を遡(さかのぼ)るように、沿線の難関国立大に多くの合格者がいる。